「QE2」が行われていたときのマーケットは、総じて「株高・コモディティ高・米ドル安」となっていました。
ならば、「QE2」が終了するとその逆が起こる可能性が濃厚なので、「株安・コモディティ安・米ドル高」の流れになりそうとの思惑が出てきているのです。
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先週まで「米ドル安」を先導していた米ドル/スイスフランですが、今週になって、スイス政府が2012年のGDPを下方修正したことをきっかけにして急反発し、0.85フラン台へ急上昇しています。
ただ、スイスフランには「避難通貨」という側面があります。
「VIX指数(恐怖指数)」が久しぶりに20台に乗り、S&P500種株価指数が年初来の上昇幅を失う水準に近づいている相場環境では、「米ドル高」の焦点は、やはり、ギリシャ懸念で揺れるユーロ/米ドルのようです。
■ヘッジファンドの米ドルに対するシナリオが変化した
こうした中、ヘッジファンドの米ドルに対する見方も徐々に変わってきているようです。
まず、ロジャーズ・ホールディングスのジム・ロジャーズ会長のコメントを挙げると、「実は、私はドルを保持している。市場では95%か96%の人がドルに対して弱気な見方だ。そこで、私は踏み入って、ドルを買った」(出所:Bloomberg)と説明したそうです。
また、このコラムでも以前にご紹介したことがある、世界最大の為替ヘッジファンド「FXコンセプツ」創設者のジョン・テイラー氏は「アメリカの減速と金利格差を材料にしたドル売りは数日中に終わる」(出所:Bloomberg)と述べ、近日中に米ドルをロングポジション(買い持ち)にする意向を示しました。
「QE2」の終えんが近づき、米ドルはジワジワと上昇しています。
ユーロ圏が混乱し、「株安・米ドル高」のマーケットの中、今週後半もユーロ/米ドルとユーロ/円の動向に注目しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロ/米ドルのターゲットは、まずは直近安値の1.39ドル台後半でしょうか?
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