金曜日の為替相場はサルコジ・メルケル会合で振り回された。ユーロがいよいよ1.40台に到達してきており、私は何度も売りこんで、すぐに買い戻すの繰り返し。今週に入ってからはユーロドルのショートでは不思議と一度もストップ注文の方がつかないので、驚いていたくらいだ。
しかし金曜日の夕方に1.4160台で戻りを待って、ようやく売ったはずのユーロドルは、気持ち良いほどに一瞬でアウトになった。これからメルケルとサルコジがギリシャ問題で会合を持つという。これでは結果はどうあれ、ユーロ買いに進んでしまう。これまでにも沢山のユーロ売りのポジションが積み上がっているのだから。
私は金曜日の夜は出かけてしまう予定が入っていたので、それ以降は深追いしないことにした。ドル円の小さいショートポジションで楽しんでいるしかないと思った。後で振り返ると、サルコジもメルケルも口頭ではギリシャへの追加支援を積極的にサポートすると言っていた。しかしそれはまったく従来の見解と変わらない。やはり、今ギリシアの債権者は自主的に払い戻しを求めないような行動に出るようにと、なんとも人任せな対策を打ち出している。
しかしともあれ欧州の信用不安が鎮まったかに見えた甲斐もあって、グローベックスでの米国株は欧州時間からは大幅に上昇。リスクテークに向けた動きが活発化するかと思われたが、最もリスクの高いものとされているコモディティがまったくダメだ。原油は5月初旬の急落の段階での安値である94ドル台を下抜けしてきて、順次、投げ売り体制となってきており、91ドル台をみるまでに至っている。
そうした不安定な中で、IMFがアメリカと日本の経済成長見通しを下方修正した。ニューヨーク時間の午後には米国株は売りもの一色となって、それまでの上昇分のほとんどを吐き出した。その過程でユーロドルも若干の利食いに押されたが、それでもスポットは1.43台でクローズ。
問題はドル円である。あんまり値幅もなく、終日80円台ではあったが、もう80円割れが寸前のレベルで終了。ドル円だけはほとんど戻り場らしい戻りも作らずに、ひたすら下がった感じだった。
週明けの本日は、そうした米ドルがどこまで下値を広げるかに注目が集まった。先週末はドル安が進んだとはいえ、ユーロドルのドル安はあくまでも信用不安がなくなるのではないかという観測によるもの。
それを意識してか、今日の早朝からの為替相場の動きは、それらを押し戻す動きとなった。ドル円も80円を割り込むことはなく、ユーロドルも高値追いを止めてしまった感じである。
今晩は実に経済イベントが少ないので、ユーロの動きにセンシティブとなろう。ユーロドルの切り返しがなく、1.43台はネバーカムバックと見えたら、欧州時間からでもユーロショートにしていきたいものだ。
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