■金価格がなぜここまで上昇してきたのかがわかる3冊!
2つの背景のうち、前者のほうがより雄大なシナリオと「陰謀論」が控えていると言える。紙面の制限で詳説は省くが、日本、中国ともに、鋭い本質に迫った作家がいるので、次の3冊のご一読をおススメする。
・『日経新聞を死ぬまで読んでも解らない金の値段の裏のウラ』(鬼塚英昭著、成甲書房刊)
・『金は暴落する!2011年の衝撃 ロスチャイルド黄金支配のシナリオを読み解く』(鬼塚英昭著、成甲書房刊)
・『通貨戦争、影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』(宋鴻兵著、武田ランダムハウスジャパン刊)
この3冊の本を読めば、金価格がなぜここまで上昇してきたのかを理解していただけると思っているが、すべて鵜呑みにしてはならないということも記しておこう。
特に、中国の宋氏は日本の鬼塚氏と違って、なかなか「詳しすぎる」内情を暴露しているから、彼は単に一介の作家ではなく、より重い任務を負っている「影の支配者たち」の「メッセンジャーボーイ」ではないかとさえ思える。
実際のところ、中国の庶民の間で空前の金購入ブームが現在起きているが、宋氏の本が直接の引き金であると言われている。
■金が足りないなら、金価格はさらに上昇するのか?
話は長くなったが、要するに、「金高」にしても「米ドル安」にしても、「世界金融マフィア」によって仕組まれた面は大きい。
ゆえに、米国が実際にはほとんど金を保有していないことがバレないように、工作の一環としてストロスカーン氏の逮捕があったというワケだ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ならば、金が足りないから、これから金価格がさらに上昇していくのではないかと思われる方もいらっしゃるだろうが、成り行きは正反対になると私は予測している。
なぜなら、それは通貨戦争の本質に迫る話だからであり、米ドルの基軸通貨の地位を保つためには、金が天井をつけて反落しなければならない。
すると、金の対極が米ドルであり、米ドルの反転がなくては金の大きな反落はあり得ないのだから、これから「米ドル高」の局面が続くと見ている。
このあたりの話もなかなか複雑だから、また次回のコラムに譲ろう。
もちろん、ここまでの話が「邪説」であることを、再度確認しておきたい。
私自身は必ずしも「陰謀論」を信じているわけではないが、大きな背景と流れをつかむには、世界の政治や経済の「裏側」に目を光らせることも重要だと思う。
■中国がユーロ資産に資金シフトしているとの報道が頻発
ところで、最近になって、中国がユーロ資産やユーロ債券へ資金シフトしているとの報道が頻発している。
このあたりの見方については、筆者は自身が発行するメールマガジンの6月22日(水)号で次のように記した。
「中国によるユーロ資産シフトが再び取り上げられ、足元のユーロの切り返しにつながっているもようだ。また米株の上昇によるリスク選好度の向上が、ユーロショート筋の買い戻しを促しているようだ。
もっとも昨年夏は、中国によるユーロ資産売却といった報道でユーロが大底をつけていた。今回はユーロの天井を示唆する材料として受け止めるだろう」
はたして、今回も「中国が出たら終わり」」というルールは通用するだろうか(「ドル安は宿命だが、いったんは円安か?『中国が出たら終わり』を今回も信じたい」などを参照)。
相場は実におもしろい!
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