ユーロ/スイスフランは再び1.20フランを割り込んでおり、一時は1.1967フランまで急落しました。先週末の上昇を一気に解消する勢いで下落しており、今週に入って400ポイント弱も下げているのです。
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連れて、ユーロ/米ドルは1.4300ドルを割り込んで1.4286ドルまで下落し、ユーロ/円は115.55円まで急落しました。
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ユーロ相場を先導しているユーロ/スイスフランですが、仮に直近安値の1.1807フランを下にブレイクした場合は「ユーロ安」に拍車がかかる可能性もあるため、要注意です。
また、ユーロ/米ドルを単体で見ると、先週からのユーロの買い戻しの局面でも、6月6日(月)につけた直近高値の1.4698ドルを上抜けることができませんでした。これも、ユーロ/米ドルの下落に拍車をかけた要因と言えるでしょう。
結果として、ユーロ/米ドルは5月4日(水)につけた今年の高値である1.4940ドルから徐々に戻り高値を切り下げてきています。
ギリシャの債務問題がポルトガルにcontagion(伝染)したことが、どこまでユーロ/米ドルを押し下げるのかに注目です。
■ユーロ/米ドルの上値は依然として限定的なのでは?
さて、そのユーロの行方を左右する重要なイベントが、7月7日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会後のトリシェ総裁のコメントでしょう。
政策金利が25bp(0.25%)引き上げられて1.50%になることは、前回のトリシェ総裁による「strong vigilance」発言により、ほぼ100%確実視されています。
マーケットの注目は、年内にもう1回、利上げがあるのかどうか?
予想される「トリシェコード」をもう一度確認してみましょう。
・「Monitor closely」 ⇒ 利上げを示唆
・「Monitor very closely」 ⇒ 2カ月後の利上げを示唆
・「Strong vigilance」 ⇒ 来月の利上げを示唆
いくつかの米系銀行は、トリシェ総裁が「monitor (very?) closely」を使用し、年内の利上げを示唆すると見ているようです。そうであれば、ユーロ/米ドルはいったん反発する可能性もあるでしょう。
ただ、アイルラントもポルトガルに続いて、ムーディーズにジャンク級(投資不適格)に格下げされるリスクがあり、そのような中では、ユーロ/米ドルの上値は依然として限定的なのではないでしょうか?
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ユーロ/米ドルはこのところ、1.41~1.46ドルのレンジ圏での乱高下が続いています。
しかし、ECB理事会とその後のトリシェ総裁のコメントをきっかけにして、
レンジの下限である1.4100ドルを割り込んでくる可能性は濃厚です。
「トリシェコード」に注目ですね。
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