FX会社の取引ツールをレビューするこのコーナー。今回はテクニカルアナリストの私、バカラ村がお届けします。
今回はデイトレードするときに役に立つツールです。紹介だけじゃなく、使い方についても書いてみたいと思います。
取り上げるのは外為どっとコムの「外為注文情報」です。
【作成日時:2011年8月31日→最終確認・更新日:2011年9月2日】
>>>外為どっとコム[外貨ネクスト]のスペック詳細はザイFX!の比較コンテンツでご覧ください

「外為注文情報」を見ると、FXにはストップを狙う動きが多く、FXはゼロサムゲームだと言える動きが多々あることがよくわかります。
「外為注文情報」はFX業界最大手・外為どっとコムの顧客の注文状況がわかるツールです。
どのレベルに買いオーダーが多いのか、売りオーダーが多いのかがわかります。
為替市場全体の大きさから考えると、外為どっとコムの注文数は少ないと言えますが、為替市場のオーダー状況の縮図として考えられるのではないかと思います。
実際に「外為注文情報」の内容に沿って相場が動くことが多いので、信頼性があるツールだと考えています。
■これが「外為注文情報」だ!
まず、「外為注文情報」の見方を説明します。下の図で、ピンク色のついた中央の価格(76円30銭)が現在の価格になります。

現在の価格より左上の水色の四角が「売りの指値注文」になります。この四角が多いほど、売りの指値のオーダーが多いことになります。
左下にある水色で白抜きの四角は「売りの逆指値(ストップ)注文」のオーダーです。
そして、右下のオレンジの四角は「買いの指値注文」になります。
右上のオレンジで白抜きの四角は「買いの逆指値(ストップ)注文」になります。
注文には基本的に成行と指値と逆指値注文がありますが、「外為注文情報」では指値と逆指値が表示されています。
ちなみに逆指値には新規の逆指値と手仕舞いの逆指値がありますが、通常は手仕舞いの逆指値の方が多いと思います。
新規で注文するときというのは、投資家は「ちょっとでも安く買いたい、ちょっとでも高く売りたい」と考えるものなので、新規注文の場合は現在価格よりも安く買える(もしくは高く売れる)指値注文が多いのではないかと思います。
とすれば、新規の逆指値注文は少ないと言えるので、ここで表示されている逆指値は手仕舞いの逆指値が多いのではないかと思います。
手仕舞いの逆指値には、利食いの逆指値と損切りの逆指値が考えられますが、利食いの逆指値(トレイリングストップなど)は少なく、大概が損失確定のオーダーだと思われます。
あとで書きますが、為替相場は損切りを狙う動きになることが多いので、この逆指値の注文は「損切りの逆指値注文」の可能性が高いと考えています。
■FXではストップを狙った動きがよく起こる
先ほどの「外為注文情報」をもう一度見てみます。

76円20~30銭に買いオーダーが多くあるものの、76円50銭・60銭・70銭に売りオーダーが多く、上値が重そうです。
そして、76円20銭と00銭にはストップがあります。
そもそも論になりますが、為替市場の参加者の大半は投機筋です。輸出業者などの実需の注文もありますが、為替市場全体の規模に比べると、ほんの少ししかなく、大半が投機筋です。
FXは投機筋同士でお金を取り合っているとも言えます。したがってFXはほぼゼロサムゲームだということです。
ゼロサムゲームということは「他人の損失 = 自分の利益」となり、「他人の損失 = 市場にあるストップ」なので、市場参加者はストップを狙う動きをしてきやすいのです。
こうしたことから考えると、下にはストップがあり、上値は重いので、下がるのではないかと予測できます。
■76円割れの歴史的安値のとき、何が起きていたのか?
実際の相場の動きですが、上の「外為注文情報」の時点での米ドル/円15分足チャートは以下のとおりです。

76円65銭付近で二度止められ、現在は下へトライする動きになっています。
そして、以下のチャートは上のチャートから50分後のものです。

76円20銭と76円00銭にあったストップをつけて、反転しています。
ストップをつけたあと反転しているので、ストップを狙っただけの動きだと言えます。
トレードは誰かが損をしないと自分の利益にならないので、ストップを狙う動きが多々起こります。実際にトレードするなら、人のストップがついたところを自分の利食いポイントにできます。
「外為注文情報」の例をもう1つ挙げてみます。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)