先週の金曜日夜の21時半、いよいよ雇用統計の発表となった。ゴールドマンサックスが予想を引き下げており、アメリカ政府も成長率のアウトルックを下げているので、あまり良い結果は期待できないという状況のもとでの発表となった。すでにFRB(米連銀)はバーナンキ議長がスローダウン発言を繰り返しているので、これで官民あげてオールスタッフのベアモードだ。
テクニカル分析のひとつにブリッシュコンセンサスというのがある。世の中の多くの意見が余りにも一方的に傾いてしまうと、反対の方向に動きやすくなるというものだ。今に当てはめて考えてみると、政府も中央銀行も、そして大手の民間銀行もすべてがベアになったから、もうそろそろ相場の下向きも終りに近いのではないかということになる。
一種のオシレーター系の売られ過ぎのシグナルと似ている。それを額面通りに信じるわけにはいかない。しかしとりあえず心の片隅には置いておいて、相場に臨まねばならないとも思っていた。
発表前からクロス円が安かった。ドル円が動かないのだから、ユーロドルが下がってきていることになる。ついにそれも無理からぬことで、ギリシャの2年債がなんとイールドベースで46%を越えてきたというのが、欧州の信用不安を増長させていた。
46%で2年間だったら、およそ2倍になって返ってくるわけで、これは事実上、信用力はすでになく、来年早々にもデフォルトは不可避であると言っているのと同じである。私はユーロ円をちょっとだけ売り込んで(@109.42)でおいた。
雇用データは悪かった。7万から8万人の増加が見込まれていたところ、これもなんとプラスマイナスゼロ!マイナスでもなく、単なるゼロというのは初めて見た感じがする。普通は数字で反応するものだが、要するに「変わらず」とか「同じ」とかいろいろな文字での表現が多かったため、一時的に混乱をきたしたようだ。
ファーストアクションは株高・債券安で動いたので、予想に反して12万人増など良かったのかと思いきや、ものの1分もしないうちに相場の流れは反転してきた。そして急激な株安・債券高となった。為替相場でも一瞬はクロス円が上昇しかけたが、すぐに反落。しかしドル円がほとんど動かないので、ユーロ円も動きが鈍い。
まあ、事前予想のコンセンサスの下にはマイナス5千人くらいもあったので、予想の範囲内から飛び出したわけではないのも事実だ。ニューヨークの株式市場がスタートしても、ユーロ円はまだ109円台で踏ん張っていた。ユーロドルは1.41台に突入してきたが、なにしろ円相場が動かない。私はとても眠たくなってきたので、半分利食って週明けまでポジションを持ち越した。
ドル円も76円台の前半まで攻め込むようなことがあれば、新しい政権のお手並み拝見ということになって緊張もするのだろうが、今のところは何もなさそうだ。むしろ円高に対する警戒口調だけは継続されているので、なかなか売り込んでいきづらい状況が続いている。協調介入などとても望めないとは思うが、民主党政権になってからすでに3回も介入をしているのだ。
東京時間ではあまり動きがなかったが、欧州時間に入るとユーロドルはあわや1.41台割れ近辺かというレベルまで下がり、ようやくユーロ円は108円台前半まで下がってきた。一度、ポジションはすべてスクエアに戻した。欧州市場もリスク回避的になっているが、アメリカがお休みなので、あまり為替相場も動かない可能性も高い。今夜はゆっくり休みをとろうかな。
日本時間 19時00分
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