みなさん、こんにちは。
■ブラジル・レアル暴落で、豪ドル/円は76円台ミドルに到達
先週のコラムでもご紹介した新興国通貨の下落が止まらず、代表的な通貨であるブラジル・レアルや南アフリカ・ランドは続落しています(「ギリシャのデフォルト現実化で市場混迷!唯一の避難通貨となった円に資金集中」を参照)。
(出所:CQG)
そして、極めて堅調だったアジア通貨にもその影響は及んでおり、好調な景気を維持しているシンガポールドルまで軟調な展開です。
(出所:CQG)
米国やユーロ圏といった主要国の景気が軒並み減速している中で、なお好調を保っていた新興国ですが、その新興国通貨の下落が先週から鮮明になってきています。
そして、その影響は豪ドルやユーロにまで波及しています。
豪ドル/円は、先週のコラムでご紹介したターゲットである76.52円までほぼ1週間で到達し、現執筆時点では76.70円近辺で推移しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
マーケットの流れは「株安・米ドル高・円高」で、こうした現状を打破するために、注目を集めたFOMC(米連邦公開市場委員会)が日本時間で本日、9月22日(木)の早朝に行われました。
■FOMC後、マーケットは再び risk off モードへ
本日早朝に、FRB(米連邦準備制度理事会)は総額4000億ドル(約31兆円)の追加措置を打ち出します。その内容は、マーケットが想定していたとおりの「ツイストオペ」でした。
この「ツイストオペ」は、中央銀行が保有する短期国債を売却し、長期国債を買い入れ、通貨の供給量は変えないで長・短金利を逆の方向に動かす操作のことです。
しかし、「QE(追加的量的緩和政策)」に慣れた市場には「ツイストオペ」では物足りないのか、発表後の市場の反応は「sell the rumor, buy the fact」の形となり、まず、株とコモディティ通貨が急落しました。
目立ったのは、ブラジル・レアルと南アフリカ・ランドの急落です。
これを受け、同じリスクアセットの豪ドル/円も76.71円まで急落し、ユーロ/米ドルは、発表前の1.3796ドルから1.3563ドルまで急落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 1時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
マーケットの期待が高かったFOMCですが、市場予想と大きく違わず、発表後はrisk offモードへと戻っています。
■risk offでユーロ売りが継続し、1.3000ドルへ向かう
アジア通貨が堅調な局面では、アジアの中央銀行が自国通貨高を抑制するために「米ドル買い・自国通貨売り」の市場介入を行い、調達した米ドルを、ユーロをメインに他の通貨に分散します。
こうしたアジア中銀の外貨準備の分散投資のフローも、ユーロ/米ドルの下支えになっていました。
ところが、新興国バブルが崩壊したかのように新興国通貨が下落を続けている現状だと、こうしたアジア中銀からのユーロ買いは期待できません。
加えて、相変わらず、ユーロ圏自体は混乱した状態であるため、ユーロの上値は限定的なままです。
先週のコラムを執筆していたときのグローバルマーケットの環境と現時点では改善が見られず、むしろ、新興国市場を取り巻く環境は悪化しています。
当然、マーケットの流れは「株安・米ドル高・円高」へ向かいます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
友人のヘッジファンドのユーロ/米ドルのターゲットは1.3000ドルへ。そして、ユーロ/円のターゲットは変わらずで100円割れとなっています。
また、豪ドル/円は当初の目標値の75円台ミドルまで到達しましたので、次のターゲットは72円でしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
引き続き、新興国通貨の行方と、豪ドル、ユーロ/米ドルの動向に注目です。
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