みなさん、こんにちは。
今週はヨーロッパに関する話題が乏しく、少しおとなしかった印象ですが、基本的な見通しや相場環境は変わっていません。
まずは、先週の動きを含めて、現在の相場環境について振り返ってみましょう。
■ギリシャ問題の解決策が出ず、結局、ユーロ売りに
先週は、ECB(欧州中央銀行)が9月15日(木)に、FRB(米連邦準備制度理事会)、イングランド銀行(BOE)、スイス国立銀行(SNB)、日本銀行(BOJ)と協調して、3カ月物のドル資金供給オペを行うと発表しました。
これは、ギリシャ国債などを多量に保有している欧州の金融機関などに対して、倒産の心配が広がり、なかなか市場にお金が出まわらなくなってしまっていたので、それに対処したということです。
このこと自体はポジティブなニュースでしたから、これを受けて、ユーロ/米ドルは買いが入りました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
でも、今のユーロの中心的な問題であるギリシャに対して、何らかの解決策が出てきたわけではありません。よって、その後のユーロは売られることになってしまいました。
また、週末にはEU(欧州連合)の非公式財務相会合が開かれましたが、ここでも、ギリシャに関する具体的な解決策が出てこなかったため、週明けのユーロは売られています。
■FOMC後は米ドル買いが進んでいる
また、現地時間で9月20日(火)~21日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が行われました。
声明を確認してみると、次のようになっています。
・「長期国債を4000億ドル購入し、短期国債を4000億ドル売却する」
・「保有米国債の平均償還期限を延長」
・「8月以降の経済指標は、経済成長が依然ゆっくりとしていることを示している」
・「最近の指標は、全体の労働市場状況が継続して弱まっていることを示している」
・「異例の低金利を少なくとも2013年半ばまで維持する」
つまり、緩和的な金融政策を維持することを示しています。
ただ、金融緩和第3弾、いわゆる「QE3」についての言及があるかもしれないといった期待も一部に広がっていました

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
したがって、声明発表後は米ドルが買われています。
■引き続き、米ドル/円やクロス円は円高に振れやすい
また、特徴的だったのは、その後の株価の動きです。「QE3」がないということで、それを期待して株を買っていた市場参加者から手仕舞い売りが出たようで、NYダウは300ドル近く下げています。
以前からお伝えしていますが、世界経済は決して足腰がしっかりした状態ではなく、このように何かゲタをはかせてもらって下値がようやく堅くなるという状況です。何もなければ崩れてしまうような、不安定な環境なのだと思います。
極端に大きく崩れるとは考えていませんが、引き続き、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は円高方向に向かいやすいのではないでしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
今週に入り、日本政府が新たな円高対策を発表していますが、まだまだ不十分と言わざるを得ません。積極的な円高対策としての金融緩和が必要でしょう。
そのことを、今後も日本政府・日銀に訴えていきたいと思います。
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