パウエルFRB議長解任報道で米ドル/円は乱高下
先週のコラムで、トランプ政権の関税問題が、マーケットに与える影響はいったん収束し、今後は通常時のように各国のファンダメンタルズや金利差に注目が集まる相場展開となっていくとの予想をしましたが、まさにそうした展開となっています。
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⇒米ドル/円は一時147円台到達!米国経済好調でリスクオンからの円安が進む!マーケットはトランプ関税問題をすでに織り込んだのか?高金利通貨買いに妙味あり!(7月14日、今井雅人)
特に米国経済の好調さを背景に、株価上昇からのリスクオン、そして円安という流れに続いて、米ドル高も一緒に進行し始めました。
しかし昨日(1月16日)、その流れに水を差すようなことが起きました。トランプ大統領が利下げに消極的なパウエルFRB議長を解任することを検討しているという報道が出てきたのです。
その報道を受けて、米ドルが急落しました。米ドル/円はその報道が出るまでの間に、一時149円台まで上昇してきていましたが、一気に146円台にまで叩き落されました。
しかし、その後、トランプ大統領本人が解任は考えていないことを明らかにするとすぐに米ドルは回復してきています。

(出所:TradingView)
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混乱は一時的だったがボラタイルな動きに今後も注意
トランプ大統領は、「パウエルFRB議長が辞任してくれたら嬉しい」、「私がパウエルFRB議長を解任すれば、市場が混乱するという人もいる」と発言していますので、おそらく彼自身は実際に解任を検討したのではないでしょうか?

パウエル議長が辞任するなら嬉しいとコメントしたトランプ大統領。実際に解任を検討したのかもしれない (C)Mark Wilson/Getty Images
そのとき、おそらくベッセント財務長官あたりが、思いとどまるよう説得したのではないかと考えられます。
一時混乱したマーケットですが、結局は、米ドル高、そして円安の方向に戻ってきています。おそらく、今後も同じような動きが続くと予想しています。
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米ドル/円・クロス円は円売り戦略を継続!
先週もお伝えしましたが、7月30-31日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、そして日銀の金融政策決定会合が行われる予定です。
こうした会合の1週間ほど前から、政策決定関係者は、一切発言をしないといういわゆる「ブラックアウト」期間に入ります。
これまでのケースを見ると、その期間に入る前に、直接、あるいはすっぱ抜き記事を書かせるなどの間接的なやり方で、方針を示唆するような内容を流すことがよくあります。したがって、7月21日以降は少し注意をしてみておいたほうがいいと思います。

7月30-31日にFOMCが開催されるが辞任のウワサも出ている中でパウエル議長の会見に注目(C)Bloomberg/Getty Images News
トレードの基本方針としては、米ドル円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円売りです。
メキシコペソ/円などの高金利通貨でスワップ金利を稼ぎながら、主要通貨で押し目での買い(円売り)を狙っていくというやり方を継続します。
米ドル/円の予想レンジは147-150円程度としておきます。

(出所:TradingView)
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