米国経済好調でリスクオンから円安が進む
前回のコラムで、関税問題の懸念を吹き飛ばすかのように、米国経済は好調で、リスクオンから円安が進むという予想をしました。
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⇒米ドル/円は一時145円台に到達!強い米雇用統計でFRBの早期利下げ観測が吹き飛んだ!米ドル相場は不安定だがリスクオンからの円安で伸びる可能性あり(7月4日、今井雅人)
実際の動きを見てみますと、ほぼ予想通りの動きとなっています。クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を中心に円安が進んできていますが、米ドル/円でも円安が進み、一時147円台に達しています。米ドル/円の上昇幅はやや想定以上でした。

(出所:TradingView)
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マーケットはトランプ関税問題を織り込んだのか?
さて、今後のことを考えてみましょう。まず、関税問題です。トランプ米大統領は各国との交渉をいったん打ち切り、8月1日(金)より、それぞれの国に対して関税をかけていくことを発表しました。

トランプ大統領は8月1日よりそれぞれの国に対して関税をかけていくことを発表した (C)Mark Wilson/Getty Images
つまり、これは結果が出たということで、相場は織り込んでしまったと考えてよいと思います。ですから、関税問題は、マーケットにはあまり影響を与えないということになってくるでしょう。
そこで、通常時の各国のファンダメンタルズに注目が集まります。
トランプ関税が米国のインフレ、あるいは消費にどのような影響を与えるのかについては、正直まだ不透明なところがあります。しかし、現時点では米国経済は好調であるということは、株価にも表れています。

(出所:TradingView)
この状況はまだ続くと思います。米国の金融政策も今後注目度が高まると思います。ただ、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)が7月30~31日でまだ時間がありますので、相場の変動要因となるのはもう少し先になると思います。
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日銀は当面動けない!クロス円を中心に円安継続の可能性が高い
次に日本ですが、トランプ米大統領は日本からの輸入品に対しては、一律25%の関税をかけることを公表しました。
日本経済には大きな打撃であることは言うまでもありません。そうなってくると、日銀もうかつに動けなくなってきました。
本来でしたら、実質金利が大きくマイナスとなっていますので、追加利上げをしたいところなのですが、とてもそういう状況ではなくなってきました。当面、日銀は金利を据え置く可能性が高くなったと考えています。
その前提に立つと、やはり基本方向としては、今後もクロス円中心に円安傾向が続く可能性が高いということです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
通常の環境になると金利差が効いてくるという原則もあります。メキシコペソ/円などの高金利通貨ペアの買いは以前から推奨してきていましたが、まだ伸びる可能性があると予想しています。

(出所:TradingView)
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