ユーロ圏での意見の統一をみるのはかなり時間がかかると予想され、混とんとした状況が続くという印象です。
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ユーロ/米ドルの上値は依然として重く、ショートカバー(売り方の買い戻し)を消化しつつ、流れは変わらずで、1.3000ドル方向ではないでしょうか?
■豪ドルの下落余地も拡大したまま
加えて、新興国通貨の状況も不透明です。
多くの中央銀行の介入によって新興国通貨の下落が収まり、連れて持ち直してきていた豪ドル/円ですが、戻り高値は9月27日(火)の76.71円にとどまっています。
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これは、8月9日(火)の急落時の安値76.52円とほぼ同じレートであり、今までサポートだったレベルが、逆にレジスタンスになっています。
その後は、9月28日(水)のNY市場の米国株急落とともに、豪ドル/円も74.13円まで急落しています。
また、持ち直していたブラジルレアルも、9月28日(水)は一時1.8400レアルまで急反落しました。
ブラジルのルセフ大統領は9月22日(木)に、レアル相場の変動を抑制するため、「必要であれば追加措置を講じる用意がある」と述べましたが、それでも、レアルは再び下落基調となっています。
日本(円)とスイス(フラン)は自国通貨高に苦しんでいますが、主要な新興国は現在、通貨安と戦っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:スイスフラン/円 日足)
このコラムでも何度か取り上げたように、ヘッジファンド出身のヒルデブランドSNB(スイス国立銀行)総裁は、今回、スイスフラン高を見事に抑制していますが、今後はブラジル当局の対応に注目が集まっています。
9月28日(水)のブラジルレアルの急落によって、アジア通貨は軒並み急落しており、これらのアジア通貨の動向も不透明です。
ユーロ圏の混乱をきっかけに、新興国市場も不透明な状況が続いています。リスクアセット通貨である豪ドルの下落余地も拡大したままです。
豪ドル/円の下値のメドは、変わらずで72円台といったところでしょうか?
今週後半も、ユーロ圏当局からのコメントと、新興国市場の動向に注目です。
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