みなさん、こんにちは。
■相場はいったん持ち直しているものの…
先週のコラムでご紹介した新興国通貨の混とんとした状況は、現在もなお続いています(「新興国バブルが崩壊し、ユーロや豪ドルに波及。ユーロは1.3ドル、100円割れへ!」を参照)。
今週は週前半に、ブラジル、メキシコ、韓国などの新興国の中央銀行がそろって介入したため、これらの新興国の通貨の急落はいったん沈静化しました。
連れて、主要国の株価は持ち直し、資源国通貨の豪ドルや、ユーロ/米ドルも反発しました。
ユーロ/米ドルは一時1.3691ドルまで反発し、一時101.93円まで急落していたユーロ/円も、104.97円までリバウンドしています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
また、73.64円近辺まで急落していた豪ドル/円ですが、こちらも一時は76.63円まで、3円ほど急反発しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)
ただ、相場がいったん持ち直しているといっても、現在のグローバルマーケットに、それほど明るいニュースがあるわけではありません。
先週は新興国通貨が暴落したため、「株安・円高」という非常にわかりやすい相場となりました。
今週序盤の「株高・クロス円安」のRisk on相場は、マーケットにショートポジション(売り持ち)がたまり過ぎたことによる反動といったところでしょう。
しかし、底流にあるRisk offの流れは変わらず、9月28日(水)にはブラジルレアルが下落を再開し、再びリスク回避志向が高まっています。
■ユーロ圏の混乱は続き、ユーロ/米ドルは1.3ドルへ
フィンランド議会でEFSF(欧州金融安定ファシリティー)拡充案が9月28日(水)に可決され、ドイツ連邦議会の下院でEFSFの機能強化案が可決される可能性が高まっているなど、ユーロに関するポジティブな報道もあります。
ところが、ほとんどのものは想定されていたものであり、そのためにユーロの上昇は限定的です。
逆に、9月28日(水)のNY市場では、立て続けに次のような悪材料が噴出したため、ユーロ/円は再び103.50円まで下落しています。
(1)EU(欧州連合)が分裂、ギリシャ救済での銀行のヘアカット(債務減免)拡大めぐり意見が対立(出所:Bloomberg)
(2)伊・仏・スペイン・ベルギー、株式の空売り禁止措置を延長(出所:Reuter)
(3)ドイツ政府:ギリシャのデフォルト、年内にもあり得ると想定-独紙ビルト(出所:Bloomberg)
(4)ギリシャ第2次支援の民間部門関与、銀行の間でさらなる損失を見込む動き(出所:Reuter)
(5)EUは発足以来最大の困難に直面=バローゾ欧州委員長
出所Reuters
これだけ悪材料が報道されると、その内容うんぬんよりも…
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