筆者のロジックが正しければ、来年夏頃にはリーマン・ショックに匹敵する何らかの大事件が起こり、マーケットを震撼させるだろう。
だから、本当の「ショック」はまだ来ていないと悟るべきだと思っている。
■今後1~2カ月以内に、米ドル高はスピード調整か
下に示したNYダウの月足チャートで、現在の状況と2008年の状況を比較し、現在、どの段階にあるのかをご確認いただきたい。
要するに、本当のショックはこれからであり、「悪い米ドル高」が続き、上値余地がなお大きいという結論にたどりつくことができる。
(出所:米国FXCM)
また、下のNYダウとドルインデックスの比較チャートから、2008年以降に逆相関の関係となっていることがよくおわかりいただけるだろう。
2008年のように両指数がまだクロスしていないことも、トレンドの進行がこれから続くと示唆するものと見ている。
(出所:米国FXCM)
一方、2008年のケースで、株式市場が5月まで戻り基調になったことから、今回も今後1~2カ月のどこかの時点で米ドル高のスピード修正があってもおかしくはないと考えている。
ユーロにしても、英ポンドにしても、一直線の下げはなさそうだ。
また、ドル/円は、なかなかドルインデックスに連動してこない。
これは、外貨安によってクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に円高圧力がかかっているためであり、さらに、最後の「ダメ押し」がまだである可能性を示唆していると思われる。
■次の「ショック」では、米ドル/円は大幅に下落しない
ところで、来るべき「ショック」によって、米ドル/円が2008年のように大幅に下落するとは基本的には想定していない。
危機の本質は変わらないとしても、毎回違った形で出てくるから、単純に「現象」だけではとらえられない。
この意味では、足元で多くの人々が血まなこになって次の「リーマン・ブラザーズ」を探しているが、次に出てくるのが「ブラザーズ」ではなく、「シスターズ」になる可能性も大きい。
そうでないと「ショック」と呼べないから、気をつけたいものだ。
もっとも、最近の金(ゴールド)や銀の暴落はまさにその好例であり、今後の危機の本質を示してくれるだろう。
このあたりの話は、また次回に譲ろう。
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