昨日の欧州市場ではユーロドルは1.31台に乗せたレベルで始まった。最近のレンジからいうと、高いほうのレベルである。ユーロを売ろう売ろうと常々考えている私にとっては、もはや売りゾーンに入ってきているので、株が下がり始めるなど、何か外部要因の変化が見られたら、ただちに売り出動となるところ。しかし何のシグナルも出て来ないものだから、まったく手が出ない。欧州株も高いので、とてもユーロショートにしてリスク回避で臨む局面ではない。グローベックスでの米国株もそれを反映して腰が強い値動きとなっていた。
ユーロドルが前日の高値である1.3130あたりも越えてきて、さらに堅調さを増してきた。どうやらECBの流動性供給に期待しているようだ。流動性を放出しても、目先の資金繰りは安心できるかもしれないが、傷ついたポートフォリオを癒すことはできないのに…。そう思いながらもオペの内容が発表される頃には、株価は猛烈な上昇を示し、クロス円もものすごい勢いで上がってきた。これから世の中が変わってしまうのではないかと思わせるような急激なリスクテークだ。
ユーロ円も102円台のミドルまで60銭以上も急騰し、ユーロドルも1.31台の後半までジャンプアップした。あまりに激しかったので、そんなに良い内容だったのかとニュースなどを捜索してみたが、応札倍率が旺盛だったというだけで、利回りそのものは一般的。むしろそれまで下げを我慢していたイタリアやスペインの国債などが下がり始めた。そうしたユーロ圏の周辺国の利回り上昇は、欧州の信用不安の表れとされる。
すぐにマーケットはそれらに反応し、ユーロは急速に上値が重くなっていった。私も何かやらなくては思って、ユーロドルを売ってみた。1.31台では売るつもりだったし。すでに1.3155だった。かなり安くなってしまったが、安心料だと思えば仕方がない。むやみにポジションをどこでも作るわけにもいかないからだ。
しかしユーロドルの下げは激しくて、1.32台を目指していたものが、あっという間に1.30台まで下落。調子に乗ってユーロ円も101円台に突入してきたので突っ込んで売っていったが、101円台ミドルで止まってしまった。ユーロドルも1.30台のローからあまり動きがなくなってしまった。ずっと静かな相場が続いているなかで、あまり多くを望むのもと思って全部クローズして、早々に就寝した。
今日の欧州序盤ではユーロがちょっと上昇。ユーロドルは1.31台に乗せてきている。最近のパターンとして欧州序盤ではリスクテークが強くなる。日本時間の19時前後に向けて必ずといってよいほど、株価は上昇し、ユーロクロスを中心にユーロが買い進まれる。転期となるのは米国勢の参入時間か、もしくはニューヨークのランチタイム以降である。
タイミングだけを見計らうとすれば、ユーロを売り込むには19時以降ということになるのだろう。できればある程度の下げを確認した後に、トレンドフォローしていく感じで売っていくしかなさそうだ。昨日の二匹目のドジョウになるかどうか今夜はわからないが、ユーロポンドは昨日も今月の安値を更新しており、底流の流れは変わっていないはずだ。
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