ユーロ/円も98.81円の高値引けで、ヘッジファンドが注目し、ユーロの下落を主導してきたユーロオージーやユーロキウイ(ユーロ/NZドル)も陽線引けです。
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友人によると、世界的に有名なサイクル・アナリストであるレイモンド・メリマン氏が示す変化日は、1月13日(金)~16日(月)(前後3営業日を含む)とのことです。
仮にユーロ/米ドルが直近高値の1.2881ドルをクリアに上抜いてくれば、もう一段上昇する可能性が高そうです。
現執筆時点のユーロ/米ドルは1.2865ドルレベルにありますが、1.2880~1.2900ドルエリアの攻防には注目したいところです。
■CDS市場のほうが格付け機関より市場心理を反映している
年初からのユーロの暴落がようやく沈静化し、友人のヘッジファンドも今週に入ってからはユーロ/米ドル、ユーロクロスの利益確定に動いているもよう。年初のユーロ下落局面では、うまく運用できたようです。
ただ、このユーロの反発局面は、世界中の投機筋などの巨大なユーロショートの巻き戻しに過ぎないと、多くの市場関係者は考えているようです。
その理由は「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場」を見るとわかります。
CDS市場のほうが格付け機関より的確に市場心理を反映しており、マーケットでは、「格付け会社がCDS市場の後追いをするのではないか?」といったことが、中期的なユーロのネガティブ要因として話題にされています。
たとえば、CDSはフランスのほうがブラジルよりも高い(リスクが高い)ですが、S&Pの格付けを見ると、フランスはAA+、ブラジルはBBBとなっていて、格付け的にはフランスのほうがブラジルよりも良い(リスクが低い)ということになっています。
このようなギャップが生じているために、「近いうちに、格付け会社がEU(欧州連合)各国をさらに格下げする」と考える投資家が増えているようです。
■ユーロ/円の戻しのメドは100円台ミドルか?
この意味では、次はムーディーズの発表に注目すべきでしょう。
ムーディーズがイタリアを格下げすれば、多くの年金はポートフォリオからイタリアを外さざるを得なくなります。これにより、ユーロの不透明感がさらに拡大し、結果的にユーロ売りへとつながる可能性が高まります。
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注目のユーロクロスはユーロオージーが筆頭ですが、ユーロ/円にも着目しています。
ユーロ/円は昨年末に100円割れとなり、2ケタの数字で2012年の相場をスタートしましたが、年末年始の休暇中に急落したことから、本邦勢のユーロの売り遅れが目立っています。
そのような状況下で、ユーロ/円が100円台を回復するような場面があれば、本邦勢から断続的にユーロ売りが持ち込まれる可能性が高く、ユーロ/円の上値はきわめて限定的となりそうです。
今週に入ってユーロを買い戻している短期筋も、反発局面では、再びユーロショートを構築しようと目論んでいるもようです。
こうした市場環境を踏まえて、ユーロの反発局面にうまくのって効率的に運用し、ヘッジファンドをはじめとするプロの投資家のように、2012年をいい形でスタートしたいところですね。
ユーロ/円の戻しのメドは100円台ミドルといったところでしょうか?
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