■ドルが76.50円を割り込むと、介入懸念(期待?)が高まる
一方、一連の米ドル安の流れの中でも、米ドル/円は軟調に推移しています。
先週、一時は78.29円まで上昇し、さらなる上昇を期待した市場参加者も少なからずいたのですが、こちらもFOMCの結果発表後に流れが米ドル安へと一変しています。
ただ、米ドル/円については、円の史上最高値に接近しているためにボラティリティ(変動幅)は依然として低く、現執筆時点では76.10円レベルで小動きとなっています。
この米ドル/円の下値を支えているのが、日本の当局による市場介入への思惑でしょう。
友人によると、ゴールドマン・サックスは「米ドル/円が75.35円以上の円高に突入した場合は、相当大規模な円売り介入を実施するであろう」という内容のレポートを出しているとのことです。
それとは反対に、JPモルガンは介入の可能性に否定的な見方を示しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
どちらにせよ、現状の76.10円近辺では、円売り・米ドル買いの介入が入る可能性は低く、76.50円を割り込んでくると、介入懸念(期待?)が一気に高まるというのがコンセンサスになりつつあります。
■ユーロが1.2000フランに接近すれば、再介入の可能性も
さて、SNB(スイス国立銀行)のヒルデブラント総裁が辞任したにも関わらず、スイスフランの介入の可能性も高まっています。
このところのユーロクロスの下落の中で、ユーロ/スイスフランもジワジワと軟化しています。ついに1.2100フランを割り込み、SNBが設定したフローにあと50ポイントの1.2050フラン近辺まで下落し、軟調に推移しています。
ヒルデブラント総裁の辞任で、スイスの中央銀行の政策が変更になったとは考え難いです。したがって、ユーロ/スイスフランが1.2000フランにさらに接近すれば、SNBが実弾を繰り出してくる可能性がかなり高まるため、注目されています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 4時間足)
当面は、リスクアセット通貨の豪ドル/米ドル、豪ドル/円の上値余地拡大と、日本ならびにスイスの介入の有無が焦点となります。
豪ドルに関しては、豪ドル/米ドルは1.1000ドル、豪ドル/円は84.00円のターゲットを維持します。
ユーロオージー(ユーロ/豪ドル)は1.2000ドル割れへ!
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