みなさん、こんにちは。
現地時間1月25日(水)に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受け、市場では、株高と、豪ドルやキウイ(NZドル)などリスクアセット通貨の上昇がジワジワと進んでいます。
一方、ECB(欧州中央銀行)、FRB(米連邦準備制度理事会)の両中央銀行の実質的な通貨安政策に翻弄されているユーロ/米ドルは、値動きは激しいのものの、今週は1.3026~1.3234ドルの200ポイントのレンジ内で乱高下する展開にとどまっています。
また、方向感のないユーロ/米ドルを横目に、粛々と高値を更新しているのが豪ドル/米ドルで、2月2日(木)のアジア市場では1.0759ドルまで上昇しています。つれて、豪ドル/円は81.90円まで値を戻しています。
先週のコラムでは、豪ドル/米ドルは1.1000ドル、豪ドル/円は84円がターゲットであるとご紹介させていただきましたが、それに向かってジリジリと上昇しています(「米国の低金利長期化は豪ドルに追い風。ユーロオージーは下値余地が再び拡大!」を参照)。
■中央銀行も資金をユーロから豪ドルにシフトしている
一向に改善の兆しが見られないユーロ情勢を嫌気して、リアルマネーはユーロから豪ドルへと移動が続いているようです。海外の友人によると、この流れはいくつかの中央銀行でも見られるとのことです。
このことは、次の報道でも確認できます。彼らのコメントを裏づけるものであり、豪ドルをサポートする要因となっています。
「ロシア:豪ドル資産の購入を2月初めから始める可能性-中銀副総裁
ロシア中央銀行のウリュカエフ筆頭副総裁は、同国が国際準備通貨として豪ドルを2月初めから購入し始める可能性があることを明らかにした。世界経済フォーラム年次総会が開かれているダボスで記者団に語った」(出所:Bloomberg)
豪ドルに関しては、来週2月7日(火)に開催されるRBA(豪州中央銀行)金融政策決定会合に注目が集まっています。政策金利に関しては25bp(0.25%)の利下げがコンセンサスとなっており、現行の政策金利は4.25%であることから、これが4.00%になるとの市場予想です。
ただ、この「RBAの利下げ」には、ユーロ危機の混迷など、グローバル経済が混とんとしていることを考慮するといった側面があります。したがって、市場が懸念しているほどユーロ情勢が悪化しなければ、利下げが見送られる可能性もあります。
足元のマーケットでは25bpの利下げは織り込み済みで、想定どおりに利下げが実施されたとしても、豪ドルに対する大きなネガティブ要因にはならないでしょう。
逆に、利下げが見送られれば、豪ドルのサポート要因となります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
言うまでもなく、ネガティブ要因としてユーロのソブリン問題が挙げられますが、多くの悲観的な見方とは裏腹に、米国株は堅調に推移しています。
S&P500種株価指数は、2月1日(水)は前日比0.9%高の1324.09ポイントと依然底堅く推移しています。高騰を続ける米国株が大きく崩れることがなければ、豪ドルの堅調地合いは続きそうです。
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