昨日のアジア時間は週明けということもあり、ドル円やユーロ円は大きく跳ねて始まった。ドル円は81円台のミドルまで猛進。私にとっても興味は、この円売りが日本の悪材料によるものなのか、それとも年初からの高値圏に張り付いている株価に対するロスクテークによるものなのかを確認したいということだった。
事実、値動きだけを見ると、昨日のアジア時間では株高が進んだ。グローベックスでの米国株は言うまでもなく、日経先物も午前中に9750円までの高値を記録した。これではリスク許容度が増しているから、クロス円も高いのではないかと思ってしまう。
私の考えでは、やはり投資信託などの悪い話は、外国人勢がもっとも嫌うところであるので、相場展開としては、円安はいいとしても資産価格の値崩れなど、もっと日本売りの様相を呈してもよいはずだと見ているのである。
テクニカル的にも円売りで臨んでもいいような相場なのは事実だが、どうもいまひとつドル円やユーロ円でロング攻めに腰を座らせられないのはこのような理由によるからで、日本売りとなって株安に転じようものならば、反対に円買い圧力が強まって当然だと思えるからである。
逆に言うと、今の株式相場は円安の一面しか見ていないから高いのであって、流れが逆転するのは何かのきっかけがあれば脆いのではないかとみているのである。
そのように感じているものだから、ドル円の81円台では手が出しにくい。むろんユーロ円の109円台でも買って攻めようとは思わない。日経先物は徐々に値を下げてきたが、9600円台というのは下がっても依然として高い。しかしナイトセッションになると、なおも値を切り下げ始めた。日経先物は9500円台に突入。ちょっと意外な下げであった。
私もあまり重大視することなく、金曜日と月曜日に買い過ぎた分のストップロスであろうと思った。すぐに値段も戻るのではないかと思っていたのだが、ニュースにはエルピーダの話が出ていた。これは投資信託よりも話が大きいと思い、私は速攻でユーロ円のレベルを確認した。
ユーロ円は108.70くらいまで下がっている。円売りの材料とも取られかねない話なので、とりあえずマーケットがどちらに反応しているかを確認する必要があったのだ。そこで私も108.66でユーロ円を売っていった。
しばらくは108.50-108.80でスタックしたが、日経先物が9550円を下回って、なおも安値攻めしているのを見ると、クロス円ショートの安心感だけはあった。またここ1週間で積もり積もったクロス円のロングポジションも相当なものだろう。ユーロ円がどすんと落ちるということはなかったが、構成要素であるユーロドルとドル円が順番に落ちていくのを見て安心。
ドル円の81円ちょうど割れや、ユーロドルの1.34ちょうど割れでは確かにもんだが、抜けると気持ちよくすっと落ちた。ユーロ円も107円台にまで落ち込んできたが、日経先物が昼間の高値から見ると200円以上の下落となっているのだから、もうちょっと走ってもよさそうなもの。できれば106円台のミドルトライもあってもよさそう。こうなれば株価の反転が見られない限り、買い戻さないぞー。
ユーロ円はニューヨーク株の始まりとともに107.50を下回ってきた。米国株も安い。私は107.33でユーロ円を売り増ししたが、これは余計だった。すぐに107.50を上回ってきたので、全部買い戻して取引終了。日経先物も9470円まで突っ込んだのに、同時期に50円以上戻ってきたのだから仕方ない。
今日のアジア時間では、ドル円は80円ちょうど割れをトライしたが、さすがに踏ん張った。その後は株価の戻しとともにドル円やユーロ円の下げは一服している。日本発の大きな材料が続いたので、マーケットの反応はどういう円安を実現するのか注目していたが、どうやらまた株価主導のリスク相場と捉えておくのが正しいようである。
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