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西原宏一_メルマガ取材記事
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

米株価も高値圏でQE3とは言えず
さてユーロはもう一段の下押し?

2012年03月01日(木)17:59公開 (2012年03月01日(木)17:59更新)
持田有紀子

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 さて昨日の注目はECBのアクションとバーナンキ議長。ECBのオペでは3年もので資金供給が行われると想定されていた。これは前回の供給オペでも株価を上昇させるなどして、欧州の信用不安を薄めたという功績があるので、無視はできない。問題はすでに市場価格に織り込まれているということである。

 欧州株などが高値をさらに追って行けるのかである。もし高値追いの姿勢が明確になれば、そこからユーロ買いに励んでもよい。しかし「事実で売れ」の状況になってしまうと、もうユーロも買っていけない。ここ数日でつけた1.34台の後半が、今年前半でのユーロドルの戻り高値ということになってしまいかねない。

 19時過ぎにECBのオペが行われたが、ほぼ予想通り。グローベックスでは昨年来の高値を意識して高値張り付きして待っていたS&P先物が、上抜けした。それでマーケット全体は大きくリスクテークに傾くのかと思って期待したが、思ったほども株高は進まなかった。勢いがないのである。

確かに先週の後半あたりからは米国株の出来高は極端に細ってきている。現在のレベルも空中戦だと言えなくもないのである。ユーロドルももう上がれない。徐々に値を崩してきたので、いまさらユーロ買いをする理由はもうない。私はユーロドルを1.3441で売っていった。アジア時間の安値よりも安いところだが、仕方がない。

 1.3420くらいまで差し込んだ後、1.3460を越えるような局面もあったが、これはアメリカの景況感の指標が良くてリスクテークになったため。運よく私のロスカットレベルである1.3470はつかなかった。命拾いしたのだから、次の押しでは1.3420のあたりで買い戻してしまおう。すぐにバーナンキのスピーチが始まって、ユーロドルが落ちてきた。

 私の思惑ではバーナンキは目新しいことは言わないだろうと思っていたのに…。前回のFOMCで「2014年の後半まで」という時間的な緩和策を打ち出したことで、為替相場では当面のドル金利の行方には興味を失っているところでもあったのだから。しかしドル円も急激に上がってきて81円台を目指す動きとなっているし、完全なドル買い相場になっている。

 ユーロドルは、私が利食いしようと思っていた1.3420も突き抜けてきた。15分待っていると、1.3400も割り込んできたので、私はとりあえず1.3393で売り増しして、1.3410で買い戻しのストップ注文だけ入れておいた。

 ニュースソースを拾いにいくと、どうやらバーナンキ議長がQE3のことについてまったく触れられていないのが原因のようだ。それもなんだか当たり前な気がするのに…。株価が金融危機以来の高値圏にいるのに、いまさら金融緩和なんて。いったい何を期待していたというのだろう。

 それでもドル金利の先安観は完全に払しょくされた形となって、長期債も売られているし、完全な利上げ型の金融相場となっている。株価も下落しているし、ユーロドルも見れば1.3350を割れてもいる。久しぶりに2時過ぎまで相場につきあってしまったが、どうもユーロドルは戻りそうもないのでストップ注文を1.3375まで下げて就寝した。これは私が見ていた2時までの間での最大の戻しだからである。

 朝に画面で確認すると、ニューヨークの午後はそのままドルの全面高となって、そのままドルの高値引けとなっている。ユーロドルもほとんど戻っていない。私は朝に1.3338で売り増しした分だけを利食って残りはショートキープ。欧州時間にはいって1.33台割れで粘っていたので、残りも一度クローズした。

 今晩も夜中に景況指数が出るが、これに関わらず、ちょっと調整を強いられている株価動向によってリスク回避が進むかもしれない。そうなるとクロス円の売りを中心にユーロドルも一段安しそうだ。とくに昨日はユーロポンドが100ポイントも落ち込んでいるので、その方面からのユーロ売りも期待できそう。


日本時間 17時40分
 


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