みなさん、こんにちは。
■上昇が続いていた豪ドル/円に、やっと調整が入った
2月から続いていた「株高」と「円安」のトレンドですが、大きな戻しもなく
一方的に上昇してきたことから、マーケットでは、逆に不安感が高まっていました。
とりわけ、株との連動性の高い豪ドル/円は、2月初旬の80円台からほぼ一方的に上昇しており、3月2日(金)には88.02円まで上昇しました。この間、2円以上の戻しはほとんど見られませんでした。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
その一方で、ユーロ/円は、2月末の「LTRO(3年物流動性供給オペ)」前後につけた109.97円を高値に、その後はじり安となっています。
これと比較すると、ヘッジファンドの友人も、豪ドル/円の堅調さには、ちょっと驚きを隠せないようです。
新興国通貨をはじめとして、ボラティリティ(変動幅)が高い通貨ペアは値動きが激しいのですが、主要通貨はボラティリティが低下気味です。トレンドが明確になっても、丁寧に押し目買いや戻り売りを繰り返さないと、なかなか収益を大きく伸ばせません。
前述のように、豪ドル/円は、2月初旬の80円から下旬の88円まで8円も急騰していますが、大きな押し目もなく上昇が続いたため、過熱感がちょっと高まっていました。
それが今週に入って、一時は84.81円まで下落し、やっと調整が入ったようです。
豪ドル/円の下落につれて、米ドル/円も一時は80円台半ばまで下落しましたが、現執筆時点では81円台を回復しています。
■全人代と豪州の政策金利発表が調整の材料になった
それでは、豪ドル/円や米ドル/円の今回の下落が、どのような要因に誘発されたのかを確認してみましょう。
今週は、まず、3月5日(月)に中国の全人代(全国人民代表大会)が開幕しました。
開幕に当たり、中国政府は、2012年の経済成長目標をこれまでの8.0%から7.5%に引き下げると発表したのです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 日足)
これは、過去10年間の平均成長率の10.7%を大幅に下回る水準であり、発表後は、アジア通貨全般に加えて、リスクアセット通貨である豪ドル/円やNZドル/円も軟調に推移しています。
続いて、3月6日(火)には、RBA(豪州中央銀行)が政策金利を発表しました。結果は市場予想どおりの据え置きで、声明の内容も驚きはありませんでしたが、マーケットは「sell the fact(事実で売り)」で反応し、欧米市場でも、株、コモディティ、リスクアセット通貨が大幅下落となりました。
米ドル/円も、一時は80円台ミドルまで下落しました。
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