■グローバルな資金は調整局面を経て、リスクアセットへ
ただ、3月8日(木)のECB(欧州中央銀行)ならびにBOE(イングランド銀行)の政策金利発表、3月9日(金)のNFP(米国雇用統計)を前に、調整局面は一服しています。
現執筆時点では、米ドル/円は81円台、豪ドル/円は86円台を回復しています。
加えて、マーケットの注目は、日本時間で3月9日(金)早朝5時に迫ったギリシャの「PSI(債務減免交渉)」のデッドライン(期限)に集まっており、結果待ちといった様相です。
この「PSI」に関しては、予断を許さない展開ではあるものの、その危険性については事前にかなり報道されていたため、マーケットではある程度のヘッジが行われていると想定されます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ただ、ユーロ/米ドルは、「LTRO」前後の1.34ドル台後半を高値に反落が続いていたため、当面は、1.3000~1.3500ドルのレンジで方向性のないもみ合いとなる可能性が濃厚でしょう。
結果的に、ユーロと円は引き続き軟調に推移する可能性が高いと見込まれます。
その半面、グローバルな資金は調整局面を経て、豪ドルやNZドルなどのリスクアセットに戻る可能性が高いのではないでしょうか?
■流れは変わらずで、円安の展開が続く
そもそも、2012年は主要国で多くの選挙が予定されているため、株を中心に、リスクアセットが暴落するのは考えづらいです。
一方、そのような相場展開となる可能性が高いため、5月は例年のように、「sell in May」の相場格言どおりに危険性が高まるのかもしれません。
前回のコラムでも申し上げましたが、3月中旬まではリパトリ(本国への資金送還)の円買い需要により、米ドル/円や豪ドル/円は値を下げる局面があると予測されます(「ドル/円はターゲットを85円に上方修正!円キャリーで豪ドル/円は90円へジリ高」を参照)。
友人のヘッジファンドは、そうした局面では「押し目買い」という相場観を持っているようです。
流れは変わらず、円安の展開でしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米ドル/円は、足元では82.00円レベルのバリアに阻まれており、当面のところは80~82円のもみ合いとなるのでしょう。
しかし、もみ合いを経たあと、いずれは82円を上抜けて、85円へと上昇するのではないでしょうか?
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