■「株とクロス円の下落」、その要因は?
「株とクロス円の下落」の要因は、今週に入って多くの参加者が、イースターホリデー前にリスクを抑えるため、株とリスクアセット通貨のポジションを落としているからなのでしょうか。
もしくは、この下落はファンダメンタルズの悪化を伴ったものであり、これがメイントレンドになりつつあるのでしょうか。
来週になってみないとトレンドを確認しづらいということになります。
特に中期では、上昇基調に入っていると想定される米ドル/円ですが、現在は、豪ドル円/に加え、ユーロ/円も軟調に推移しており、クロス円の下落が米ドル/円の上値を抑えている状況です。
イースターホリデーが終わらないと、米ドル/円の調整が終了するのも難しそうです。
■SNB介入間近!? ユーロ/スイスフランに注意!
このような環境下、マーケットの注目を浴びているのが、ユーロ/スイスフランです。
現時点でのユーロ/スイスフランは1.2035フランとSNB(スイス国立銀行=スイスの中央銀行)の下限である1.2000フランまで、あとわずか35ポイントというレベルまで下落しています。
(出所:米国FXCM)
マーケットのウワサでは、1.2020フランにSNBが買い指値注文を置いているという話もありますが…真偽のほどはわかりません。
ただユーロ/スイスフランのマーケットは、SNBの介入を期待して「ユーロロング(買い持ち)」という状態。さらに、銀行が持っている注文は、1.2000フラン以下に大量のストップロスという状態です。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
現在のレートからわずか35ポイントほど下に大量のストップロスが存在していることになります。
もしも、SNBがマーケットのウワサと異なり、実際には1.2020フランに買い指し値注文を置いていないことになると、大量に存在するストップロスにひっかかる可能性もありますので、ここ数日、ユーロ/スイスフランの動向には要注意です。
特に前述の理由で4月6日(金)の相場の流動性はかなり低下するでしょうから、仮に彼らの買い指し値注文を飛び越えてマーケットが1.2000フランをブレイクしてしまうと、まずユーロ/スイスフランは急落。
その後、SNBの介入が入り急騰と、ユーロ/スイスフランが乱高下する可能性が高まります。
そうなると、ユーロ/米ドルやユーロ/円も大きく影響を受けるので、当面、ユーロ/スイスフランの値動きには要注意です。
■クロス円下落は一時的? すべては米雇用統計次第!
こうした背景により、まずイースターホリデーを控え、リスクを落とす動きが高まるため、米雇用統計まではクロス円の上値は限定的になる可能性が濃厚です。
しかし、この下落は前述のように、イースター前の調整で終わる可能性も高いため、注意が必要。
米ドル/円が上昇基調に戻るかどうかも明日の米雇用統計の数字次第といったところでしょう。
グッドフライデーでの発表となり、これまで以上のイベントとなった明日の米雇用統計。4月のトレンドを確認するのも明日の数字次第ですので、まずは、米雇用統計に注目しましょう。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)