みなさん、こんにちは。
やっと少しずつ春を感じられるようになってきましたね。
■マーケットはミニリスクオフ相場の展開に
4月に入り、本邦投資家は新年度入り、欧米の投資家は第2四半期入り、ということで、例年ですと、今週はリスクアセット通貨(高リスクの通貨)に資金が向かう傾向があります。
ところが今年はそういう流れはなく、リスクアセット通貨である豪ドル/円は反落。前コラムでご紹介した84.81円を崩され、急落こそしませんが、依然軟調な展開です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
4日の欧米市場では、NY金も原油も続落。S&P500種は今年2位の下落率で値を崩しており、米国株も続落。避難通貨である円も買い戻しが強く、米ドル/円も83円台が重たい展開です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
市場は、ミニリスクオフ相場の展開となっています。
■スペイン国債の急落、ユーロ問題が再燃!?
前コラムで紹介した豪ドルは、2月の貿易収支が悪化していることも影響し、軟調に推移していますが、今週に入り、ユーロ/円も上値が重い展開です。
LTRO(3年物資金供給オペ)効果により、落ち着きをみせていたユーロの債務問題ですが、昨日のスペイン国債の入札が低調だったことから、豪ドルに連れ、ユーロにも売り圧力がかかり始めています。
ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁も、この件については懸念を示しています。
スペイン10年債利回りは最大で26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、12週ぶりの高水準5.71%をつけ、昨年12月の水準に近づいた。ドラギ総裁はフランクフルトでの記者会見で、「ユーロ圏のソブリン債市場は引き続き緊張状態にあり、景気の勢いをそぐと予想される」と発言した.。(出所:Bloomberg)
ここしばらくユーロ/米ドルは、1.3000ドルと1.3500ドルのバリアに阻まれ、この500ポイントのレンジで方向感なく、乱高下していましたが、ユーロ問題が再燃したことで、昨日は1.3107ドルまで下落しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロ/円は、107.90円まで下落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
当面このミニリスクオフ相場が続くというのが、マーケットのコンセンサスになりつつありますが、2012年の4月相場は、以下に述べる特殊要因を考慮したいところです。
■祝日で流動性が枯渇する中、迎える米雇用統計
前述のように、4月に入りミニリスク相場となったことで、「クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)」が下落していますが、この流れが続くのかどうかは来週(4月9日~)に入らないと見極めがつきません。
この点が、2012年の相場の特徴といえるでしょう。
今年は、4月6日(金)がグッドフライデーの祝日となりますので、マーケット参加者が極端に減ることで流動性が枯渇します。そのような状況で、重要な3月の米雇用統計の発表を迎えるのです。
良好な数字が発表されるというのがコンセンサスとなっているようですが、仮にこの数字が大きく予想と違えば、流動性が枯渇しているマーケットは大荒れの展開になる可能性が高まります。
■「株とクロス円の下落」、その要因は?
「株とクロス円の下落」の要因は、今週に入って多くの参加者が、イースターホリデー前にリスクを抑えるため、株とリスクアセット通貨のポジションを落としているからなのでしょうか。
もしくは、この下落はファンダメンタルズの悪化を伴ったものであり、これがメイントレンドになりつつあるのでしょうか。
来週になってみないとトレンドを確認しづらいということになります。
特に中期では、上昇基調に入っていると想定される米ドル/円ですが、現在は、豪ドル円/に加え、ユーロ/円も軟調に推移しており、クロス円の下落が米ドル/円の上値を抑えている状況です。
イースターホリデーが終わらないと、米ドル/円の調整が終了するのも難しそうです。
■SNB介入間近!? ユーロ/スイスフランに注意!
このような環境下、マーケットの注目を浴びているのが、ユーロ/スイスフランです。
現時点でのユーロ/スイスフランは1.2035フランとSNB(スイス国立銀行=スイスの中央銀行)の下限である1.2000フランまで、あとわずか35ポイントというレベルまで下落しています。
(出所:米国FXCM)
マーケットのウワサでは、1.2020フランにSNBが買い指値注文を置いているという話もありますが…真偽のほどはわかりません。
ただユーロ/スイスフランのマーケットは、SNBの介入を期待して「ユーロロング(買い持ち)」という状態。さらに、銀行が持っている注文は、1.2000フラン以下に大量のストップロスという状態です。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
現在のレートからわずか35ポイントほど下に大量のストップロスが存在していることになります。
もしも、SNBがマーケットのウワサと異なり、実際には1.2020フランに買い指し値注文を置いていないことになると、大量に存在するストップロスにひっかかる可能性もありますので、ここ数日、ユーロ/スイスフランの動向には要注意です。
特に前述の理由で4月6日(金)の相場の流動性はかなり低下するでしょうから、仮に彼らの買い指し値注文を飛び越えてマーケットが1.2000フランをブレイクしてしまうと、まずユーロ/スイスフランは急落。
その後、SNBの介入が入り急騰と、ユーロ/スイスフランが乱高下する可能性が高まります。
そうなると、ユーロ/米ドルやユーロ/円も大きく影響を受けるので、当面、ユーロ/スイスフランの値動きには要注意です。
■クロス円下落は一時的? すべては米雇用統計次第!
こうした背景により、まずイースターホリデーを控え、リスクを落とす動きが高まるため、米雇用統計まではクロス円の上値は限定的になる可能性が濃厚です。
しかし、この下落は前述のように、イースター前の調整で終わる可能性も高いため、注意が必要。
米ドル/円が上昇基調に戻るかどうかも明日の米雇用統計の数字次第といったところでしょう。
グッドフライデーでの発表となり、これまで以上のイベントとなった明日の米雇用統計。4月のトレンドを確認するのも明日の数字次第ですので、まずは、米雇用統計に注目しましょう。
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