日本の連休中にかなりのリスク回避が進んでしまった。雇用統計の出る前に、ADP指数がわるかったことで、すでにリスクオフ。ドル円は79円台から回復した後、80.60まで戻していたものが、80円ちょうどは割れないものの、頭も重い。ユーロ円も月初の106円台から105円台の前半まで押し込まれてイベントをむかえることとなった。
マーケットでは今回の雇用統計はどうせ悪いだろうとのコンセンサスも出来ているためリスク回避である。木曜日の原油相場の急落も気になるところで、市場のリスク許容度は確実に減退している中での発表となった。私もドル円のロングを持ってはいたのだが、上がらないのに加えて原油価格が105ドルから101ドルまで急落したのを見せつけられては、リスクオンの状態でポジションを抱えているわけにもいかない。夕方以降、指標が出る前までにクローズしてしまおうと構えていたが、あまり動かず。結局のところほとんどコストの80.24でクローズした。
私としては市場がちょっと悲観的になり過ぎているような気もしていたし、その反動のほうに賭けたいと思っていた。発表後に株価の回復が見られ、ユーロ円も105円台の後半を攻めるようになれば、そのときは再びドル円かユーロ円でもロングにしようと考えて構えていた。
結果は就業者数が11万5千人の増加。これはADPで外した分とほぼ変わらない。つまり想定の範囲内だということだ。それもあってか、市場の最初の反応は鈍かった。ファーストアクションでは株安に向かい、ドル売り相場になるという素直なものだったが、クロス円が主体となって動かない。ユーロドルはドル売りによって上がっているし、特にリスク回避という行動には見えない。そのうちに株価も元のレベルに戻ってきたりして、ドル円も80円台で頑張っている。45分ほども面白くもない状態が続いた。
ちょっと緊張感が出てきたのは、ドル円がクリアに80円ちょうどを割り込んできてからだった。また米国株オープンとともにリスクオフの姿勢が明確になり、日経先物も9100円台に突入。不安が拡がりはじめ、ユーロ円も105円ちょうどを割り込んできた。これは私の期待したシナリオとは違うが、外部環境も整っているため、手を出さねばいけない場面だ。
原油価格も100ドルの大台を割ってきた。そこで私はこのタイミングでユーロ円を売ってみた。105.14だった。105円ちょうどあたりでは大いに揉むことになるのだろうなあと思いながらも、発表直後の高値である105.54のちょっと外側である105.55で買い戻しのストップ注文を置いておいた。
ニューヨーク時間のランチタイムに至るまでは、リスク回避が大きく進んだ。原油価格は97ドル台まで沈んで、米国株も2週間ぶりの安値圏に突入。ドル円はそれほどの動きはなかったが、ドル売りで上昇していたユーロドルが反転、下落。ユーロ円は一気に104円台を攻め始めた。私は12時過ぎまで見ていたが、ユーロ円が104.55あたりまで突っ込んだところで、ストップ注文を105.00に下げて就寝。
週明けの話題はフランスの政権交代とギリシャの総選挙だった。どちらも財政規律を緩める方向の側の勝利となりそうだということで、欧州の信用不安は増大するのではとの憶測が先だった。早朝の為替相場ではユーロが大きく売られて始まった。ユーロ円は103円台に突っ込み、ユーロポンドは50ポイントも先週末の終値から下げてスタート。ユーロドルも1.30台を割り込むのも時間の問題で、久しぶりの1.29台に突入。
7時にグローベックスが始まったが、そこでも米国株は2%近くの急落にいたった。私のユーロ円ショートはまだ我慢の段階だと考えて、東京市場のオープン際のプライスアクションで売り増すか、クローズするか決めようと思った。このままリスクオフが激しくなるならば、ユーロ円の売り増し。反対に株価が戻ってくるようであれば、レートはいくらでもいいから買い戻す。
実際には東京市場ではさらなるリスク回避にはならなかった。早朝のセッションで9070円まで差し込んでいた日経先物も簡単に戻ってきて、そのうち金曜日のクローズである9150円を上回ってくる始末。日本人にとっては連休の下げ分も含まれているので、とても安くて買いたい衝動が抑えられなかったのかもしれない(笑)。米国株はまだまだ大幅安をしているのだが、マザーマーケットの日本株がプラス転するようでは、為替だけリスク回避になることは望めない。当初の予定通りに103.69で買い戻した。
今晩はほとんど経済イベントがない。その分、欧州で選挙結果の消化がどうなるかに関心が集まる。このままユーロ安が続くのか。かなり押し込まれた米国株などがどうなるのか。それによってまたクロス円で攻めたいと思う。
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