このところ下落を続けていたユーロ/円がついに96円台に突入した。
■スペインへの不安が増大! CDSが過去最高水準に
ギリシャ問題に揺れてきたユーロだが、直近で注目を集めているのはスペインの情勢。スペインのCDSが過去最高水準に達したことなどから、不安感が増大している。
CDSとはクレジット・デフォルト・スワップの略で、信用リスクをヘッジしたい場合などに利用するデリバティブの一種。
詳細は略すが、ざっくり言うと、CDSが過去最高水準に達したということは、スペインがデフォルトする可能性に対するマーケットの不安が過去最高水準まで高まっていることを意味する(※)。
(※スペインがすぐにデフォルトすることを意味しているわけではない)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■2012年の安値を更新、11年半ぶりとなる安値水準まで下落
また、テクニカル的にはユーロ/円は本年、2012年の安値となっていた1月16日の97.03円を割り込むかどうかが注目されていた。
そして、前述のスペインの問題などからユーロ売りが加速すると、日本時間の6月1日(金)午前0時前後に97円を割り込み、ストップロスを巻き込みながら急落。一時、96.5円付近まで下落した。
(出所:米国FXCM)
これは2000年12月以来、実に11年半ぶりとなる安値水準だ。
(出所:米国FXCM)
その後のユーロ/円は少し戻したものの、6月1日(金)の日本時間正午現在、96.9円付近で推移しており、97円割れの水準にある。
ユーロ圏で今後注目されているのは6月17日(日)に予定されているギリシャの再選挙。その結果によっては、ギリシャがユーロを離脱する可能性も取り沙汰されており、今後の展開は予断を許さない。
(ザイFX!編集部・井口稔)
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