最近の為替相場は思い切り、リスクのありようによって左右されつづけている。リスクが高まるとなると日本円が買われリスクが薄まるとユーロなどが買われるというもの。欧州時間であれば、最近注目のスペイン債が目安になっている。7%の大台に乗せてくると文句なくユーロ売り。そこを少しでも下回れば安心感ということで、ユーロの買い戻しだ。
ニューヨーク時間では米国株はもちろんのこと、リスクの先行指標としてワークしている原油価格の動向に振らされる。もちろん値幅の大小はあるとはいえ、ほとんど方向はこれで決定されてしまう。それまで要人の発言内容やテクニカルな値動きから慎重に判断して作ったポジションであっても、目の前での外部環境の変化がリスク動向の増減を示している場合は、そちらの方が重視ということにならざるをえない。
そして実際、私のポジショニングもそれらに大いに振り回されている次第だ。昨日の欧州序盤ではユーロドルは1.22台の中盤でスタートしたので、私も戻り売りの態勢で臨んだ。今年の最安値は前日の安値であり、1.2236だ。もう50ポイントもない。今年のユーロドルのレンジ幅が1200ポイントあまりであることを考えると、もうほとんど加限に張り付いているといってもよい状況である。
ユーロドルの安値は頑強にサポートされているわけではなく、ほぼ毎日のように更新されている。ユーロベアになっても当然であろう。私も1.2268や1.2274なんかで何度も売ってみたりするのだが、どうもアジア時間の午後からはユーロの買い戻しのほうが力強いようである。本来ならば下げ始めるところを押さえて売り込んでいきたいところなので、気合の入っていないユーロショートである。
したがってすぐにアゲインストにいったらロスカットしてしまう。このところずっと気にされているスペイン債が7.0%を割れている。これを好感してリスクテークになっていることは言うまでもないが、こうなると私の相場観もめげてしまう…。しばらくはやめにしておこう。
スペイン債の利回りが低下してきたことは喜ばしいことかもしれないが、10年もので6.8%などというのは依然として高い水準であることには間違いがない。そして警戒していたユーロの巻き返しもかなり限定的だ。ユーロドルは上がるには上がったが、1.2300を触ることができず。
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