昨日はバーナンキ議長の発言待ちだった。それまでにゴールドマン・サックスの決算発表やアメリカの経済指標なども出たのだが、ことごとく無視された。期待だけが高まっているのは前回、前々回と同じで、すでにユーロドルはここ1週間のレンジのもっとも高い水準にまで上がってきており、ドル円も79円台にまで戻している。
それは外部環境を見れば明らかで、株価もここ1週間でものすごく上がって来ていて、なお高値追いの勢い。なにをそれほどまでに期待しているのかとも思えるようなリスクテークのあり方だ。バーナンキに期待してもしょせんは役人なので、よほど目に見えるような変化がなければ発言内容を変更するはずがない。それは前回でもわかっていることなのに、なお期待ということでリスク性の高いものが好まれる。
私としては前回と同じようなパターンになるのではないかと思ってしまうので、失望売りにベットしたくなるのだ。もちろん期待ベースで上がっているときは、ユーロドルやユーロ円を売っていけない。ニュースになって流れるであろう23時以降が勝負となるはずである。
23時になった。特にニュースは見ていないが、値動きだけで失望しているのがわかる。米国株はスピードこそ遅かったものの、着実に安値を拡げてきた。私もユーロドルが崩れ始めるのを見ながら、1.2246で売っていった。これはとくにターゲットを定めず、失望売りの終わるまでというタイミングの問題である。つまり米国株が下げ止まる程度ならば持ちっぱなしでもよいが、反転して上昇してくるならば、そのタイミングが買い戻しの場となる。
ユーロドルは1.21台に突入した。ここからは今年の最安値では1.2162だけが目につくサポートである。しかし利食いをどうしようかと考える間もなく、ユーロドルが1.21台でプレイしたのはほんの10分くらいだけ。すぐに1.22台まで戻しこんだ。なんかちょっとイヤな感じである。
バーナンキ議長のQ&Aのなかでは、あまりにも雇用の悪さと景気の悪化を強調するものだから、マーケットはバーナンキの「必要ならば行動する」という文言に再び期待を抱いたものと見える。米国株が急回復してきたので、私も押し目を待たずに買い戻した。結局、20ポイントくらいしか取れなかった。
相場はリスクテークに移り、米国株は大幅反発、ユーロドルも1.23台まで戻らんとする勢い。ユーロポンドが前日の安値である0.7831を攻めきれなくて、日足ではちょっとダブルボトムのような格好となってしまい、次のステージでは売りにくくなった感じだ。
それにしても面白いのは今月末にもFOMCはあるのに、それにはアクションを期待していないという点である。バーナンキ議長が「もうちょっとデータを見たい」といったのが、今月は何もやらないとしても、9月にはやるだろうという楽観方の根拠になったということだそうだ。
ここ最近のユーロドルは1.21台から1.23台でのレンジ相場がすっかり定着してしまった感じがする。端っこの1.21台や1.23台は時折、行き過ぎの際に攻めるということになってしまっており、何度も両サイドともに攻めるが完全に逆張りが有効となっている。1.21台では買ってみて、今年の最安値を下抜けしてきたらしかたがないということで、1.2162割れでロスカット。逆に上サイドは1.2300を割り込んで下攻めに入ってからのマックス戻りである1.2332を越えてきたらロスカットということでよさそうだ。
夏枯れ相場になるということもあり、あんまり頭を使わなくて便利である。当面はユーロドルに真剣に向かうのをやめて、このレンジがどちらかにブレークするまでは逆張り中心のレンジ取引で臨んでもいいかなと考えている。そこでさっそく本日のアジア時間に1.23台があったので逆張って売ってみた。損切りが明確なので取り組みやすい。利食いは1.21台まで待つつもりはない。
ユーロドルはそのように機械的に対処することにしたので、勝負はドル円ですることになる。今晩もBOAなど企業決算があり、また住宅関連のなかでも最重要の住宅着工の指標が出る。バーナンキ議長の発言内容もすでに判明したことだし、今晩からはミクロ・マクロ指標に一喜一憂の相場になりそうでもある。やはり昨日は期待でリスクテークが必要以上に膨らんだような気もするので、そのポジション解消が進むのではないかと思っている。
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