月曜日にリスクテークの勢いが一服したので、昨日の海外市場ではその後の期待感がどの程度まで持続されるのかが問題となった。そのまま期待がシュリンクして、FOMCやECB理事会を迎える前に株価などは反落してしまうのか。ユーロ円に代表されるクロス円も、今年の最安値を抜いてくるのか。また欧州からの要人発言がどのようなものであるかを見極めなければならない大事な一日になるはずである。
欧州序盤はややクロス円の下げで始まった。といっても値幅は大きくないので、ポジション調整の域を出ない。ユーロドルも1.22台に居座り続けているので、その中での微動は相場の単なるフラクチュ―ションとみなしたいところだ。アメリカの経済指標がたくさん出てきたが、おおむね良いものが並んだ。
CAPMや消費者信頼感など、センチメント系の数字は予想を上回るものばかりで、最近の流れとは逆行している。しかし翌日からの金融政策の会合をまえにしては、これらのマクロ指標で容易に動くわけにもいかない。私自身もよほどのことがない限り、翌日の夜中のFOMCまではポジションを作らないと決めているくらいだ。
ユーロがやや強ぶくんで、ユーロドルが1.23台に乗せてきたりしたが、まだまだ動きが決定的ではない。ドル円などにいたっては、たったの20ポイントも動いていないような状態である。オリンピック中だし、注目される金利会合を控えて動きづらいとはいえ、動かないからますます誰も参加しなくなるという感じだ。
今夜のFOMCでは金利の変更はあるはずもなく、また量的緩和にしてもツイストオペの継続が当たり前で、変更される箇所は「14年の終わりごろまで」超低金利を継続するとしていた文言を「15年の半ばまで」に変更するのではないかと見込まれているようだ。つまり時間的効果に軸足を完全に移したわけであるが、まあ、これしか手の打ちようもないということも事実である。
しかし現状を見るところ、株価は高い。あれだけ信用不安に揺らされた欧州ですら、ドイツ株やフランス株は今年の最高値の近くに張り付いていて、何のための金融緩和か?という問いに対する明確な答えがない状況にも見えてしまう。確かにイタリアやスペインの株価は安い。しかし一部が安くて困るということで異常な低金利の状態を続けておくと、その辺の副作用が大いに懸念されるところである。
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