確かに、ECBの政策発表があったからこそ、米ドル/円、そしてユーロ/円の急伸があったわけだが、肝心なのは、相場の内部構造を丹念にフォローしておけば、来たるべき変動の可能性を事前にとらえられる可能性が大きいということだ。
■豪ドルがECB政策の恩恵を受けた理由とは?
それだけではなく、米ドル/円の切り返し、ECB政策がもたらす効果は、おもにリスクオン相場への展開を示唆していたから、リスクオンの恩恵を当面ユーロではなくほかの通貨が享受すると考えられる。ならば、最近ユーロに対して一番売られた通貨を探せばよいわけだ。
そう、ユーロ/豪ドルであった。
(出所:米国FXCM)
だから、豪ドル/米ドルは8月9日(木)からほぼ一貫して下落し続けていたし、またECB政策発表前から底打ちし、9月6日(木)に大きく上昇してきた。
こういったロジックをもって、豪ドル/米ドルの下げ止まり、そして切り返しを事前に予測できたわけだ。
以下は9月5日(水)に制作したチャートだが、豪ドル/米ドル切り返しの可能性を示唆している。実際の安値は想定よりさらに20pips下回っていたが、メイン構造が変わらないだけに、足元の相場とほぼ合致していると思う。
(出所:米国FXCM)
具体的なアプローチはやや難しいエリオット論になるため、ここでは詳しい説明を省くが、強調しておきたいのは、ECB政策がもたらす効果を、各主要通貨の内部構造から考えて、ある程度事前にとらえられるということだ。
そして、ECB政策が発表された後の市場パフォーマンスから考えて、しばらくリスクオンの市場センチメントが続くのではないかと思うわけだ。
そういった意味では、今晩(9月7日)の米雇用統計はあまり悪くならないのではないかと推測しているが、果たして結果は如何に。
(9月7日 12:00執筆)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)