米雇用統計の結果にトランプ大統領激怒!
先週(7月28日~)金曜日(8月1日)、正に「雇用統計ショック」とも言える事態が発生しました。
米国の雇用統計7月分の結果ですが、失業率や平均時給はいずれも市場予想どおりでまったく問題はありませんでした。
ところがNFP(非農業部門就業者数)のところで、ショックが起きました。7月分に関しては、前月比7.3万人増と事前予想の10.4万人を3万人ほど下回った程度だったのですが、過去2カ月分が合計で25.8万人下方修正されてマーケットに激震が走りました。
NFPに関しては、前月、あるいは前々月分が修正されることがよくあるのですが、ここまで大きな修正は最近では記憶にありません。
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トランプ大統領はこの結果に激怒し、米労働統計局のエリカ・マッケンターファー局長を解任してしまいました。

トランプ大統領は雇用統計の結果に激怒し、米労働統計局のエリカ・マッケンターファー局長を解任した (C) Chip Somodevilla/Getty Images
トランプ大統領は、統計の数値が「不正に操作されており、自分の政権を悪く見せるためのものだ」と主張するほどの衝撃的な結果だったということです。
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米ドル高ムードは一瞬にして吹き飛んだ!
実は、この1カ月ほどの米ドル高傾向は6月の雇用統計が予想より良かったことで始まっていました。
それ以降、他の米国の経済指標が好調であったり、FOMC(米連邦公開市場委員会)において政策金利が据え置きとなった上、パウエルFRB議長が早期の利下げに慎重な姿勢を示したり、あるいは日銀の植田総裁が早期利上げについて具体的な言及を避けたりしたことなどが積み重なり、米ドル高が進行してきたのです。
その起点となった6月の雇用統計は実は強くはなかったどころか、むしろ弱かったという修正結果となり、さらには5月の結果も弱かったということで、当然、米ドル高ムードは一瞬にして吹き飛んでしまったわけです。

(出所:TradingView)
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米ドル/円の146円台は買っていっても良さそう
その後のマーケットの動きは、ショックから立ち直れず、まったく方向感を失っています。この後遺症はまだ残ってしまうと思います。
当面はどちらにも動きが取れない状況が続くのはないかと予想しています。米ドル/円の予想レンジはやや小さめにとって、146.50-148.50円としておきます。
軽めにこまかい利ザヤを抜いていくトレードをするしかないかなと思っていますが、米ドルが大きく崩れることもないと考えていますので、146円台は買っていこうとも考えています。

(出所:TradingView)
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