昨日の欧州時間は、ユーロドルが1.2900を割れるかどうかの攻防で始まった。前日に付けた安値である1.2891と、昼間に付けた安値である1.2886が当然のごとく意識される。つまり1.2890あたりがサポートとしてワークするのかどうかの分岐点である。
私はユーロベアなのだが、この後にドラギ・メルケル会談が予定されている。会談なのだから、良いことのために話し合っているのは当たり前で、それゆえに会談期待ということでユーロが買い戻される局面もあるかもしれない。それがユーロベア派の唯一の懸念材料だ。
すでにユーロは安いのだから、ここから売っていくのもどうかと思う。サポートが1.2886であるならば、1.2885を抜けてから売っても距離的にはあまり変わらない。安心料という意味ではストップ的にショートメークした方が断然良い。そこでここはテクニカルに忠実に1.2905で軽くロングにする。そして1.2885で3倍ド転の覚悟をする。
ブルではないがユーロドルを1.2905で買って、しばらく様子を見ることにした。ターゲットは21時半からのドラギ・メルケルによる会見だが、失望ものだったらすぐにロングは止め、場合によってはいくらでも良いのでショートにしていかないといけない。
欧州時間のランチタイムを過ぎたあたりから、やはりユーロ買いが強くなっていった。ユーロドルは1.2935あたりまで戻してきた。このまま行ってしまうのかな。為替レートの動きを見ているだけでも、勢いよく買っているのがよくわかる。私はユーロブルではないので、あまりユーロロングを持っていたくはないのだが・・・。
出かける用事もあったので、昼間の高値の少し内側となる1.2950に利食いを置いておいた。ずっと見る間がなかったのだが、問題の21時半になるとするっと利食いもダンになり、その後は1.2965あたりまで上がっていた。下手に見ていたらもっと前に買い戻していたかもしれない(笑)。
そのままニュースなどを見ていたが、会談からは目新しいことは何も出てこなかった。それよりもアメリカの経済指標が良いものが並んだおかげで、マーケット全体がリスクテークに傾いている。それゆえのユーロ買いも出たのだろう。ユーロドルは高値張り付きの状態になってしまった。今晩はもうユーロの安値攻めはないのかもと思いながら、私もあきらめて就寝。
朝になってみると、ユーロドルは元のレベルまで、つまり1.29台の前半まで押し込まれていた。ここ最近は小動きの続いていた米国株も、久しぶりの大きく下がっていたのだ。原因はプロッサー総裁の金融緩和に関するネガティブな発言のようだ。
QE3をしても雇用の増加にはつながらないとか、かえってインフレを助長するだけとか。これは彼が前から言っていることなので何もフレッシュなものはないのだが、ちょうどポジションもリスクオンの方向でたまっていたのだろう。マーケットのほうが過敏に反応しただけのようだ。ユーロドルはご丁寧にも再び1.28台に差し込んでもいた。
QE3後のリスクテークがやや一服しているのは、先週における原油価格の停滞だろう。QE3直後にはインフレ助長ということで100ドル台までつけていたのに、昨日に至るまで90ドル台まで後退している。これは戦略備蓄の放出の話が出たり、サウジの増産のウワサがそうさせたともいえるが、先週水曜日の原油在庫の大幅な増加がその流れを決定づけたのも事実である。
これによって原油価格の下落傾向は鮮明となり、リスク許容度は減退してしまった。米国株が高値追いをやめてしまったし、次いでユーロの上昇もおさまってしまった。しかるに今晩の原油在庫報告にも要注意である。23時半以降の原油価格の動きをウォッチして、90ドルの大台を割れてくるようであれば、リスクオフの大勢で臨むのが肝要となる。そのときは株価の下げをともなってユーロ売りも加速しそうだ。
日本時間 17時40分
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