■ユーロの上昇が鮮明に。9月高値を超えるかがカギ
みなさん、こんにちは。
今週(10月15日~)に入り、ユーロ/円の上昇が鮮明になってきました。
10月4日(木)のこのコラムでご紹介したユーロ/円ですが、想定していたより速いテンポで反発を始めており、本日10月18日(木)は103.87円まで上昇。
【参考記事】
●「安全な円」という印象はなぜ後退した?一方、ユーロは堅調でユーロ/円は105円へ(10月4日、西原宏一)
これは9月17日(月)の高値とほぼ同値であり、このレベルを上抜けると上記のコラムでご紹介した105.00円が見えてきます。私の友人のヘッジファンドは108円あたりのオプションも物色している模様。ユーロ/円の上値はさらに拡大しそうです。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
ユーロ/米ドルも一時1.3139ドルまで上昇。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
■ユーロを取り巻く環境に大きな変化!
このユーロの反発は、ユーロを取り巻く環境に大きな変化が起きていることに起因しています。
まずは、スペインの救済に対してドイツが譲歩するような姿勢を見せているという点です。
ドイツのメルケル首相は10月9日(火)にアテネを訪問し、ギリシャのサマラス首相と会談。
そしてドイツのショイブレ財務相は、「真の財政統合」が必要だとの認識を示しています。
10月16日(火)には「ドイツはスペインが基金に予防的与信を求めることにオープン」との2人のドイツ議員の話がブルームバーグで報道され、スペインやポルトガルの国債が上昇しました。
今週(10月15日~)は問題解決に向けてドイツが活発な動きをしているのが目立ちます。
現時点でもスペインはまだ「支援要請」をしていないわけですが、事実上スペインの救済がスタートしているかのような動きに。
ユーロはじわじわと値を上げています。
加えて、マーケットが懸念していたスペインの格付けですが、米格付け会社ムーディーズがスペインの格付けを現行のままで維持することを発表したことも、ユーロに対してポジティブな要因となりました。
先週10月10日(水)に米格付け会社S&Pがスペイン国債の格付けを引き下げたばかりだったことから、ムーディーズのアクションは市場にとってはサプライズでした。
■ユーロ/円の上値余地はさらに拡大!
ドイツの態度が軟化したことにより、ユーロの債務問題に対する「テールリスク(※)」は大きく後退。
ユーロは対米ドルよりも、ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)で堅調に推移している様子が目立ちます。
10月の序盤まではユーロ/豪ドルの上昇が際立っていましたが、ユーロ/豪ドルは1.28ドル台前半まで急騰した後、現在は調整モード。
(※編集部注:「テールリスク」とは発生確率は低いが、発生すると巨大な損失となるリスクのこと)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 4時間足)
今週(10月15日~)は対円であるユーロ/円の上昇が顕著になっています。
このところのユーロ/円は5日連続の陽線引け。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
この背景には、次回の日銀金融政策決定会合において、追加緩和期待が高まっていることがあります。
加えて、ソフトバンクのM&A関連で米ドル/円の大口の米ドル買いが持ち込まれるのではという予想から、米ドル/円が79円台を回復していることも挙げられます。
ともあれ、スペインを取りまく環境が好転したことから、ユーロ/円の上昇余地はさらに拡大。
前述のようにユーロ/円は連日続伸しているため、高値追いは避けたいところですが、上述したことを背景に下値は限定的でしょう。
先ほども述べましたが、ヘッジファンド勢は105円よりさらに上のオプションも物色中とのこと。当面、ユーロ/円の動向に注目です。
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