昨日は久しぶりに日本発のニュースでマーケットが沸いた。党首討論のなかで野田首相が週末の解散を明言したからだ。といってもある程度までは早期解散は想定されていたこと。それがどのような形で実現するのかが関心の的だった。しかしあのような場で解散の意思表明をするとは、ちょっと驚き。
政権与党の内部でも12月選挙には反対の立場を取る議員も多いので、電撃的な印象を与えることとなった。円相場は敏感に反応し、円の全面安へ。円売りになるには二面性があって、ひとつには政治空白になることによる様々な行政の停滞を懸念した日本売りがある。
一方では政権が交代する可能性が高まるので、日銀も積極策に出やすくなるという期待である。どちらに転んでも日本円が売られることには変わりなく、海外勢もこの瞬間を待っていたかのように、円売りに励んだ。
ドル円は夕方の解散報道から欧州序盤までに50銭ほども急上昇し、80円台へ。ユーロ円も前日のリスク回避モードで100円台に突っ込んでいたのに、そこから急反発。102円台に到達した。円安が進んだことで、市場にはリスクテークへの安心感が強まったようで、株価などリスク性の高いものは一斉に根を飛ばし始めた。
日経先物はナイトセッションで100円以上もジャンプ。グローベックスでの米国株もそれにツラれて大幅上昇へ。こうした外部環境の明確な変化もあり、私もユーロ円などクロス円のロングを作っては、20ポイントも抜けたら利食いをするといった、短期トレードに励んだ。もちろん、欧州株や米国株が反落するような局面が出てくれば、速攻でこの作戦はやめるつもりだ。
しかし20時を過ぎたあたりから、米国株の伸びは止まり、逆に下がってくる展開となってきた。ドル円もユーロ円も高値圏で張りついているので、特に売り込んでいくような積極的な理由はないのだが、ちょっとロングで攻めるにはやりにくい状況となってきたのも事実。
こうなると米国株の開始を待ってネクストアクションを決めるしかない。私は株価動向を見極めることを優先したため何もしなかったわけだが、結果的にはニューヨークの現物株の始まる23時半の直前あたりで、ドル円もユーロ円も海外高値をつけることとなった。
というのも米国株がオープン直後から重い足取りを示し、日付が変わった頃には前日比でマイナス転をはじめたからだ。日本株の上昇は、米国株の上昇を支援しないようだ。
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