昨日の欧州市場では、ドル円は82円台の前半でスタートした。先週以来、ドル円は上も下もやったようで、最近は81.80から82.20をコアレンジとして、ちょっと方向感がでない感じだ。少なくともアメリカの財政の崖の問題や、安倍総裁の発言では逐一、反応はするものの、大きくどちらかにブレークしていく様子ではなくなっている。ただ財政問題に関する楽観論が優勢になったことをうけて、米国株は大統領選の直前のレベルまで回復してきた。それで安心感からか、マーケットはややリスクテークの方向に傾きつつあるのも確かだ。
ユーロドルは欧州序盤では1.29台のミドルだったが、実に底堅い動き。世界的な株高に押される形で欧州株もラリーし、年初来の高値に迫らんとする勢いだったからだ。私としてはユーロドルの1.30台乗せを先日に失敗しているだけに、こんな高いところからユーロ買いに走りたくはなかったのだが、株高によるリスクテークが波及してくるだろうことを考えると、ドル円を買っていきにくい以上はユーロドルでも素直にトレンドフォローとしょうして買っていくしかなさそうだった。買い場を探ろうとしていたが、ユーロは実に堅調でまったくの押し目なし。アメリカの経済指標の出る時間になってきて、ユーロドルは1.3000を触り出した。あ~、やっぱり買っておけばよかった。
アメリカの経済指標は、失業保険もGDPの改定値もほぼ予想通り。期待で買われていたドル円やユーロドルに若干の利食い売りが出てきたが、大きく相場が崩れることはなかった。そのころになると私の胃がキリキリと痛んできたので、お水をたくさん飲んで早く寝ることにした。たぶん夕方の食べ過ぎがよくなかったのだろう。
夜中にベイナー下院議長が「実質的には何も進展していない」というコメントを発した。これは先日の楽観論とはきわめて反対の内容である。リスク回避ためユーロドルやユーロ円は売られたが、その下げも限定的だった。つまるところ良いニュースだけにしか反応したくないという、ちょっと偏った相場展開になりつつあるということだ。夏以降の緩和期待の相場つきと同様で、これはそろそろ注意してかからねばならない状況であるとも言えよう。
今日は仲値決めまでドル円は強くて、それも月末だから仕方のないことだと思っていた。日本株も調整気味で、安値方向を模索している。どうせまた82.20あたりで止められるのだろうと思っていたが、82.20を越えたあたりから買いが強烈に入ってきた。もちろん短期的なポジションの買い戻しであることは言うを待たない。それでもそのまま82.50あたりまで噴き上がって、ユーロ円も107円台乗せ。ユーロ円は今月の高値をも越えてきた。円相場に反応して日本株も上昇に向かうと、円売り圧力はますます強いものとなっていった。
今晩はシカゴの景況感くらいしか経済指標はない。その前後で多少の上下動はあるだろうが、今日の注目も株価動向となろう。アメリカやドイツの株価は完全に上値追いの形となっているし、衆院解散や安倍発言といった特殊要因があったとはいえ、日本株も追随している。株価が一段高してリスク許容度が増大するならば、これはクロス円の買いを呼び込むことになるのは必定である。
その際にはユーロ円でもロングにしてついていかなければならない。ただし米国株も日本株もレベルとしては重要なレジスタンスに接近しているので、逆張りのポイントでもあるというのも事実だ。仮に逆張っても損切りすべきポイントが明確なので、株価を見ながらの為替ポジションの操縦はしやすいと思う。
日本時間15時30分
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