昨日はユーロドルの動きが気になった。その前日温の1.31台から振り落された直後である。1.31台での滞空時間も長かったことで、かなりのユーロロングのシコリも意識された。アジア時間では1.3035あたりまでは下攻めをしたが、このレベルは上に抜けて上がってしまったニューヨーク時間での、何度も下げ止まったサポートでもある。
ここを抜ければかなりの値幅の一段安もともなることもあるだろうが、欧州時間にシフトしてもいまだに抜けてこない。何かユーロ売りの材料を欲しているところだが、特にユーロのニュースは出てこない。BOE(英中銀)やECB(欧州中銀)の金利会合があるが、これで目新しいものはないはずであった。
1.3060から1.3080をコアレンジにして小動きのレンジ相場を繰り返していたユーロドルだったが、理事会の終わった後のドラギ総裁が「欧州経済にダウンサイドリスクがある」と発言して、また「マイナス金利についても協議した」と言ったものだから、ユーロに対する金利先安観が出てきた。ドイツ国債はすでにとても高いレベルにあるのに、さらに買い進まれて利回りは大きく低下。
これが思いがけないユーロ売りのプレッシャーを与えることとなった。私はやはり1.3040をクリアに下回ってきてからのユーロ売り参戦を目論んでいたので、1.3039に売りのストップ注文を置いておいたのだが、それがダンになった。すぐに1.3028くらいまで差し込んで、ストップメーキングが成功かとも思われたが、すぐに戻ってきそうになった。私はとりあえず1.3050で買い戻しのストップ注文を出した。
30分ほどももんだが、やっとのことでユーロドルは落ちてきた。すでに米国株が始まってしまっており、株価自体はそれほども落ちていない。そちらからのリスク面からの支援は期待できない。今日のユーロの下げもこれまでかと思いながら、買い戻すチャンスをうかがうことになった。
眠くなってきたのだが、まだ落ちている最中だ。10ポイントのリトレースがあったら買い戻そうと思っているのだが、10ポイントも戻さない。自分にとってはフェーバーなので嬉しいところだが、朝に早起きした分、とても眠い。そのうち1.30台も割り込んできて、1.29台に突入。1.2977まで突っ込んだ後の、1.2987で買い戻しさせられることとなった。
ユーロドルはその後もまた下がって、1.2950も割れたようだ。結局、その安値からは20ポイントほどしか戻せていないで朝を迎えた。昨日は特にユーロクロスも大きく下落に転じたので、ユーロの売り圧力がいかに強いものだったかがわかる。
アジア時間を通じても、やはりユーロの戻りは鈍い。まあ値動きが小さいのは夜に雇用統計を控えているので仕方のないところではある。その雇用統計だが、就業者の増加数は10万人も見込まれていないのがコンセンサスだ。8万人から9万人ということころだろう。先日のADPもあまり良くなかったので、今回のデータには期待が薄らいでいるのが実情だ。だから就業者数がマイナスにでもならない限り、悪い方向への市場の反応は限定的だろう。
だが10万人増を越えてくると、ちょっとしたサプライズになりそうだ。すでに株価が高止まりしており、これ以上のリスクテークができないところへ、格好の理由を与えることになる。株価が一段高してくるようならば、そこからクロス円の強烈な買い相場が始まるのではないか。具体的にはS&P先物が今週の高値である1419ポイントを越えてくれば、そのままユーロ円、目をつぶってでも買っていくべきだと思っている。
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