(「宮田直彦氏に聞く(2012年-2) 米ドル/円は最低でも124円、さらに140-150円へ上昇も」からつづく)
■ユーロ/円に12年周期で安値をつけるサイクルあり
では、ここでユーロ/円相場に話を移そう。ユーロ/円相場の見通しが米ドル/円相場の見通しに大いに影響してくると宮田さんは言うのだ。
「ユーロ/円には12年周期で安値をつけるサイクルがあります。
もっともユーロ発足は1999年なので、それ以前は独マルク/円のチャートなどを使って出てきたサイクルです。そういうものにトレンドラインを引くのはまずいですが、サイクルを見るには問題ないと思います。
ユーロ/円の前回の安値は2000年10月で、今はそこからちょうど12年経ったところです。ですから、ユーロ/円は2012年7月24日に94.12円という安値がありますが、それでもう12年サイクルの安値をつけたのではないかと思っているのです」
ユーロ/円には12年周期で安値をつけるサイクルがある。ただし、上記チャートでユーロ発足以前は、独マルク/円やスイスフラン/円のデータも使用
そして、ここでまたも登場するのがダイアゴナル・トライアングルなのだ。
■2015~16年にユーロ/円の140円が見えてきた!
「ユーロ/円は2000年10月から2008年7月まで5波動で上昇しました。その後、下降に転じ、A波、B波、C波と下降3波動となっているのです。
そして、そのC波にダイアゴナル・トライアングルが現れています。以前も説明しましたが、ダイアゴナル・トライアングルは上昇波動なら最後の5波、下降波動なら最後のC波にしか現れません。今回はまさしくC波に現れているのです。
そして、今はそのダイアゴナル・トライアングルの上辺をまさにブレイクした状況です。だから、下降トレンドが終了し、上昇トレンドに転換した可能性が高いのです」

「ダイアゴナル・トライアングルが終了した場合のターゲットは米ドル/円のところで解説したとおりです」
【参考記事】
●宮田直彦氏に聞く(2012年-2) 米ドル/円は最低でも124円、さらに140-150円へ上昇も
「今回、ダイアゴナル・トライアングルが始まったところの高値は2009年6月の139.22円。そこから3年半かかってダイアゴナル・トライアングルが完成しています。
ですから、ユーロ/円は今から3年半以内、2016年半ばまでに139円まで上昇するという見通しになります。
つまり、2015~16年にユーロ/円の140円というのが見えてくるんです」

ダイアゴナル・トライアングルが終了した場合の標準的なターゲット算出法から、「2015~16年にユーロ/円は140円まで上昇するだろう」というのが宮田さんの見解。
■ユーロ/米ドルは1ユーロ=1ドルまで下がるとみる
ユーロ/円の140円というと結構な円安水準だが、一方、ユーロ/米ドルは基本的に弱いというのが宮田さんの見方。
「以前、2011年にお話したときと、ユーロ/米ドルの大局観は変わっていません。ユーロ/米ドルは2015~2016年にパリティ(1ユーロ=1ドル)まで下がると考えています」
【参考記事】
●宮田直彦氏に聞く(1) 為替相場は歴史的な大転換点を迎えている!

(出所:米国FXCM)
「これが米ドルが対円、対ユーロで高値をつけるタイミングだと考えているのです。
1ユーロ=1ドルになるとしましょう。そのとき、1ユーロ=140円になっていれば、1ドル=140円という計算になります。
もしも、パリティまで行かずに、1ユーロ=1.1ドルだとしたら、1ユーロ=140円の場合、1ドル=127円ぐらいになります」
これが前回の記事で出てきた「1ドル=140円もあり得る」という宮田さんの説の根拠だ。
【参考記事】
●宮田直彦氏に聞く(2012年-2) 米ドル/円は最低でも124円、さらに140-150円へ上昇も

それにしても、1ユーロ=1ドルというと、ユーロ/米ドルではユーロが今よりずいぶん下がっているし、一方、1ユーロ=140円なら、ユーロ/円は今よりずいぶん上がっている。
これは今の相場の延長線上だと、なかなかイメージしにくいが…。
「つまりは…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)