金曜日はアジア時間で円安を攻め続けた。これは木曜日と同じパターンだったので、あまり驚くことではない。衆院選挙が近づいており、ますます円安にバイアスがかかっている格好だ。週末までには円ショートのポジションを何らか持って、それで選挙結果を待ちたいという思いの強い現れであろう。ドル円は84円ちょうどには届かず。
それでもすでにドル円は高値圏に位置している。海外市場の動向次第では、3月につけた今年の最高値である84.17まで簡単に達してしまうだろう。ユーロ円についても110円にはタッチしていないものの、いつついてもおかしくない状況ではあった。
欧州時間ではユーロ買い圧力が高まって始まったが、不思議とユーロ円が110円を触らないで動いている。ユーロドルが上がればドル円が落ち、ドル円が上がり出せばユーロドルが落ちるというのを繰り返していた。これはクロス円のトップサイドに限界がありそうだなと思いながらも、なかなか売り込んではいけない。
ドル円のほうが下がりそうだと思って、83.90アッパーを待っていたのだが、これも来なかった。そのうちユーロドルまで1.30台のミドルまで下がってきた。アメリカの経済指標が出ても市場の反応は限定的で、ドル円もユーロドルも上がらない。まあ、私もやっぱり週明けの選挙結果の判明した後からでもいいやと思って、そのまま寝ることにした。
ベイナー下院議長とオバマ大統領の間で財政協議が持たれたが、やはり何らの進展も見られなかったようだ。それが米国株などリスク性の高いものには売り圧力にはなったが、為替相場にはリスク回避とはならずに純然たるドル売りの形で現れた。ドル円はすでに安値模索だったので不思議はなかったが、ユーロドルが再び1.31台に乗せてくるなど、強烈なドルの全面安の展開となった。
ユーロドルは1.31台で何度も押し返されてきているので、そのあたりはユーロ売り需要が強いものだと思っていた。したがって朝起きて1.3160あたりでクローズしているのを見て、ちょっとビックリ。ドル円の高値引けまでは想定したが、ユーロドルが7月下旬のドラギ総裁の「何でもやる」発言以来の高値近辺まで到達するのは考えていなかったからだ。
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