昨日の欧州序盤ではユーロドルは安値張り付きのままで始まった。1.32台を割れそうで割れないレベルだ。すでに割り込んでもいるので、あまり抵抗感はないはずだ。しかも前日の足形がほぼ安値引けの形で終わっているので、もっと突っ込んで売っていってもよさそうな感じなのに…。まあ、朝につけた安値を割り込んだあたり、つまりは1.3185で売りのストップ注文でも置いて構えるしかなさそう。中途半端に安いところで売るのは避けたいからだ。
しかし欧州時間ではユーロが強かった。まったく押し目がなく、クロス円が値を切り上げる中で、徐々にユーロ買いの相場になっていく。そのうちユーロ円も112円台に戻してきた。日経先物も東京市場では10020円あたりで安値引けしていたのに、10100円台を回復し、リスクテークに安心感が出てきたからだ。いうまでもなく欧州株は高いままだ。
アメリカのGDPの確定値など、経済指標も良いものが並んだ。そしてユーロドルは1.33台をうかがう展開になった。ユーロを売らなくてよかったなどというよりも、買い出動を一回もしていないのが悔やまれもするほど。しかし0時発表のフィリー指数や中古住宅のデータも良かったのだが、そのときばかりはドル買いで反応した。
ドル円の堅調さは変わらずで、ユーロドルは反転、下落へ向かった。ユーロドルは完全にそれまでの上昇分すべてを吐き出して、なおも売り基調だ。結局、懸案となっている財政問題に関する法案はベイナー議長の提案通りに採決されることとなって、マーケットは安心感からか、米国株は一段高してニューヨーククローズを迎えた。
しかしこれはベイナー下院議長が職責で議会に提案しただけであって、オバマ大統領は拒否権を行使すると断言している。それなのになぜこんなにリスクテークに向かうのか不思議でならなかった。「大統領と協議を続ける」という発言に反応したことになっているが、法案は提出すればよいというものではない。議会を通過したところで大統領が拒否権を使えば、法案にならないのだ。それがアメリカの大統領の職務権限の最たるものだ。通らない法案なのに何か理由をつけてリスクテークをしたかったのだろう。
これの反動はすぐに現れた。今日の東京時間の9時半にも採決がなされると思われていた法案も、共和党の要請によって採決そのものが延期されることとなった。私としては法案を無理にでも通過、そしてその後にオバマ大統領が拒否権を使うというプロセスを考えていたのだが、採決もしないというのには驚いた。マーケットは当然、リスク回避に動く。私もすかさずユーロドルを売ってみた。昨日売れなかった分、売りたくて仕方がなかったのもある。1.3204だったので、かなり遅れて。
グローベックスではS&P先物が50ポイントも落ちている。これならばユーロドルも1.26台までとは言わないが、1.30台は割り込んでよさそうなものだと思って、喜んで成り行きを見守った。しかし1.3180あたりまでがせいぜいで、チョッピーな中、1.32台にまで戻ってくる局面もあった。そのうち米国株は激しい勢いで戻ってきたので、私もほぼ同値で買い戻すことになった。
ああ、なんとつまらない為替相場の動きであろうか。ドル円も84円割れをするのがやっとで、深押ししていない。日本株もかなり遅れて下がってきたので、もういちどリスクオフの様相を呈してきたが、アジア時間では突っ込まなかった。私としては米国市場が開いてからの真剣なリスク回避で再チャンレジしたいところだ。
今晩はクリスマス直前でもあり、参加者は少なくなる。しかし財政問題を抱えてマーケットは不透明さを増している。昼間のユーロ売りは失敗したが、私は依然としてユーロ売りをメインに構えている。これまで財政問題は年末までに解決するという根拠なき楽観論でマーケットのプライシングが成されていたのだから、その膿出しは必ず出てきそうなものと思っている。
日本時間 17時40分
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