金曜日のアジア時間、それも9時前にドル円は高値の86.63付近まで駆け上がった。これと同時期にユーロ円も114.68近辺まで上昇。これ以降は上値の重い展開を強いられた。これは9時前につけた日経先物の高値である10455円を、荷中のコアタイムでも抜けきれなかったためでもある。
リスクテークしにいくよりも、リスクはずしの方が先行したからである。それでもアジア時間のうちはドル円は86.30を下回ることもなく、堅調に推移。ここ最近、調整の場と化している欧州時間を迎えることとなった。
日本の政権交代による政策期待でリスクテークが進む一方で、海外市場ではいよいよ迫りくるアメリカの財政の崖の問題がクローズアップされてきており、年末までの妥結は困難かもしれないということが現実味を増しつつある。
このためグローベックスでは米国株は軟調に推移。欧州株も高値追いをやめてしまった。ややリスク回避が先行する中、ドル円も86円台を割れくる局面があるなど、ポジション調整のステージが続いた。
米国市場に入ると懸念は薄らいだようで、オバマ政権が何か新提案をするのではないかとの楽観論が台頭してきた。米国株は切り返して完全に値を戻したが、為替相場での反応は鈍い。
しかし早朝に見られたような積極的な円売りのフローは出てこないのである。一度は下押ししたものだから、高いところを買っていったポジションによる逃げのオファーも相当に厚いのだろう。ドル円は戻っても86.15くらいまで。
ニューヨーククローズ間際に「何も提案はなかった」という報道が流れ飛び、マーケットは急速にリスク回避を強いられた。米国株は急落に転じ、今月の安値あたりまで売り込まれて、そのまま大幅安の安値圏で終了。ドル円も欧州時間での安値を若干、下回ったが、時間切れという事情もあり、突っ込みは足りない感じだった。
そして日曜日だというのにアメリカの議会で審議がされるという今日のアジア時間。それも結論を出すのは半日くらい後にずれ込むことになったようだ。株価だけを見ると、アジア時間の午前中は先週末のニューヨーククローズよりもやや高で推移しているだけで、まだ様子見だ。これが動き出したのを確認してから、為替相場の方でもついていこうと思っている。
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