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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

アベノミクスの最大の過ちとは?
さらなる円売り余地はなぜ限られるのか?

2013年01月25日(金)17:39公開 (2013年01月25日(金)17:39更新)
陳満咲杜

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 では、前回のコラムの結論、つまり、「さらなる円売りの余地は限られる」といった考え方は間違っているのだろうか。このあたりを再検討しておきたい。

【参考記事】
市場関係者を震撼させるウワサが出たが、「やはりウワサであったの売り」前夜か?(2013年1月18日、陳満咲杜)

■RSIの数値は相当な「行きすぎ」を示唆

 前回申し上げたように、日銀政策の如何を問わず、高値からさらに3円、5円の上値余地があるとは考えにくい。先週のコラムでもご覧いただいた米ドル/円の週足をもう1回見てみよう。

米ドル/円 週足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

RSIを見ると、現在の数値は84.80まで達している。1995年安値から現時点まで、RSIがここまで上昇したのは初めてであり、相当な過熱感を示している。したがって、前回の結論をそのまま堅持しておきたいと思う。

 一方、短期スパンでは以下の日足チャートを見てほしい。

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 短期スパンでは、昨日(1月24日)の大陽線を無視できず、21日からの陰線2本と23日の「星」に近いローソク足を合わせて考えると、「明けの明星」といった強気パターンを示しているから、再度高値更新があれば、1円から1.5円程度の上昇余地が考えられる。

 もっとも、「明けの明星」といったチャートのサインは、トレンドの転換点において大きな意味を持つが、現在のように「天井」での出現は逆に力を出し尽くしたサインと読む向きもある。

 が、トレンドフォローの視点ではやはり、まず高値を更新してから頭打ち、といったシナリオのほうが現実的であると思う。

■今後は日銀政策の中身を吟味した相場に

 ここで、「テクニカルアナリシスの観点を証左する材料が、必ず実際の値動きのあとを追う形で発生してくる」といった相場の習性から考えてみたいことがある。仮に米ドル/円がこれから調整してくるとすれば、そのときに出てくるファンダメンタルズにおける材料とは何だろうか?

 まず考えられるのは、前述したように、日銀政策に対する吟味ではないかと思う。

 目先は高官らの口先介入で円売り意欲が刺激されているが、落ち着いてくれば、肝心の政策の中身が再考されるだろう。

 目標の提示は簡単だが、それを達成する手段を講じなければ、絵に描いた餅にすぎないから、一本調子の円売りとはいかないだろう。

■さらには「法人様為替予約済相場」へ発展か?

 さらに、より重要なのは、2013年年頭から話してきたように、「法人様踏み上げ」相場と勝手に名づけてきた今回の円売り相場は、投機筋ではなく、実需筋が主導してきた疑いが濃厚だ。

【参考記事】
急激な円安は投機筋によるものではない。では、誰が円をガンガン売っているのか?(2013年1月11日、陳満咲杜)

 要するに、生保から一般事業会社まで、円高トレンドに対抗するために為替ヘッジをたくさんかけていた分、円安トレンドの進行によって彼らは狼狽し、あわててそのヘッジを解消したのだろう。

 こういった動きが日本企業だけでなく、海外企業も同様だったので、結果的には年末年始を始め、本日に至るまでの急速な円安を推し進めてきた。

 一方、ここまでくると、まだ推測ではあるが、為替予約を通じて企業の多くが円安トレンドに賭けるヘッジも、だいぶ完成したのではないかと思われる。

 生保の運用部長にしても、企業の財務部長にしても、所詮はサラリーマンだから、円安に対応する手を今のうちに打たないと、あとで責任逃れをするのは困難であることを承知している。

 また、仮にこれからまだ円高トレンドに復帰したとしても、アベノミクスという最大の材料をもって言い訳がいくらでもできる。

 したがって、「法人様踏み上げ」相場から「法人様為替予約済」相場に発展してきた足元では、円売りの余地が逆に限られると思う。

 このあたりの話は、また次回展開したいと思う。

(1月25日 PM2:30執筆)

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