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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル安は今後も続くが、今は米ドル売りを急ぐタイミ
ングではない! 誰もが金融市場の状態を理路整然と説明
できるときほど危険、相場の真実は相場の中にこそある!

2025年04月25日(金)16:43公開 (2025年04月25日(金)16:43更新)
陳満咲杜

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金融市場は落ち着きを取り戻したが、猫も杓子も金融市場の
現象やトレンドを理路整然と説明できるときほど危険!

 相場の心は秋の空。トランプ関税で市場は大揺れ、猫も杓子も米国株、米国債、米ドルの「トリプル安」必至と叫んでいる中、金融市場は落ち着きを取り戻し、S&P500は関税騒動以来の下落幅をほぼ取り戻し、日経平均も3万6000円の大台をトライしているように見える。

S&P500 日足
S&P500 日足チャート

(出所:TradingView

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 当然のように、米ドル全体はいったん下げ一服金(ゴールド)は大きく反落してきた。行きすぎたリスクオフがやっと修正されたとみるが、これからの先行きの見方がわかれるところだとも思う。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

金(ゴールド) 日足
金(ゴールド) 日足チャート

(出所:TradingView

 しかし、これこそ正常な状態だ。金融市場において、猫も杓子も同じ方向に張っていたら、大変なことになる。4月22日(火)の金(ゴールド)の暴騰、またその後の急落は、典型的なFOMOの反応パターンを示す、よい事例だと思う。

 FOMOとは「Fear of missing out」の略で、取り残されたことへの恐怖という意味である。4月22日(火)に、金は3400ドルを突破した後、ほぼ一直線に3500ドルの節目を突破したから、「恐怖的な金(ゴールド)買い」が見られ、いったんピークアウトするのも当然の成り行きであった。

 なにしろ、トランプ政権の政策迷走、あるいは暴走を受けた金融市場の大波乱は、今週(4月21日~)に入って、もはや小学生でもうまく説明できるほど周知されており、また理屈としてはさらなる大暴落間違いなしと意識されていた。

 だからこそ、究極のリスク回避資産である金(ゴールド)を買わないと、もう取り残されるのでは、という恐怖心で金(ゴールド)が買われ、行きすぎ相場がさらに一時大幅高を演出していた。

 当然のように、それ以上買ってくれる者がいなければ、値段は上昇しなくなるばかりか、今度は急落してくる。急騰した後は往々にして急落があるのも、FOMOの発生があるからだと言われ、今に始まった現象ではない。換言すれば、わかりやすかった。

猫も杓子も金融市場の現象やトレンドを理路整然と説明できるときほど、危険な時期はない。すこし大袈裟な表現だが、相場の真実はそこにある。それを悟れるかどうかは、投資者として実に「死活問題」になりかねないから、軽視すべきではないと思う。

 もっとも、ドルインデックスの一時切り返しや、金(ゴールド)の一時反落があっても、元のトレンドは維持されるだろう。

 言い換えれば、行きすぎだトレンドには往々にして速度調整の先行が見られるが、速度調整が先行されるからこそ、またより健全なトレンドの形成につながるから、米ドル安はこれからも続くということだ。

金融市場における因果関係は、一般人が思うほど単純ではなく、
総じてインタラクティブな構造にある

 ところで、米ドルの戻り売り、あるいは金(ゴールド)の押し目買いのタイミングを探るには、少し我慢が必要かもしれない。なにしろ、米国株が落ち着いてきたばかりであり、トランプ氏が今までのやり方を変えてくる可能性も大きいから、米ドル売りを急ぐべきではないと思う。

 このような話をすると、よく誤解されるポイントが2つあるかと推測できる。

 1つは、トランプ氏のやり方を予測できるはずがないので、やり方が変わるという話はしょせん憶測であろうという見解だと思う。

 そのとおり、憶測である。この点についてまったく異議はない。しかし、歴史が教えてくれるように、金融市場の値動きの後を追う形で、いわゆる材料面の変化が見られるケースが圧倒的多いから、米国株の落ち着き、またこれから一段の反発があれば、トランプ氏による強硬路線が緩和される、という可能性が示唆される。

 「トランプ政権の強硬路線が緩和される気配があったから、金融市場が落ち着いてきた」というような理屈は万人受けするが、前述のような「反対のロジック」は、なかなか納得されないと思う。

 別に誰を説得するつもりでもないので、これ以上言わないが、強調したいのは、金融市場における因果関係は、一般人が思うほど単純ではなく、総じてインタラクティブな構造にあることだ。

値動きが先行した結果、現実の世界における材料が変わってくる、という側面も大きいから、認識しておいたほうが無難だ。

これからの米ドル安は、必ずしもリスクオフの結果ではない

 2つめの誤解されやすいポイントは、「米ドル安がリスクオフの結果」と思われるところだと思う。確かに今回の米ドル安はそういう側面が大きかったが、これからの米ドル安は必ずしもそうではないことを理解していただきたい。

 要するに、米ドル安と言えばリスクオフと連動しているもの、とは限らない。大したリスクオフではなくても、米ドル安のトレンドが維持されるなら、米ドルは下落していく。関税騒動でみられた米ドルと株式市場の連動した急落は、異例とまでは言い切れないとしても、常態でもないから、要注意だ。

大きなサイクルの視点からみれば、米ドル安はこれからも続く公算が大きい。しかし、株式市場のサイクルで言えば、ここからさらに急落していく可能性を完全に否定できないものの、確率として高くないと思う。特に割安な日本株が、米ドル安・円高と連動してさらに暴落するというのは、今のところ考えていない

 筆者の見方が正しければ、これから円高傾向が続いても、基本的に緩やかな基調を保つだろう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 特に、ドルインデックスは2023年安値を下回ったのに対して、米ドル/円は未だに昨年(2024年)9月安値を完全に切っていないことが、1つの証拠、またサインではないかとみる。市況はいかに。

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