FOMCの後でドル円は96円台まで戻したが、昨日のアジア時間ではその大台である96円台がキープできるかが注目だった。夕方に黒田新総裁の会見が控えていて、大胆な金融緩和を話すのだろうということはすでに承知済みであり、その一方で欧州でのキプロス支援の問題はまったく解決されていない状況だった。
ドル円にとっては上がる材料と下がる材料が拮抗していて、どちらにポジションを傾ければよいのか、たいへん難しい。ただ外部環境を見れば、米国株も日本株も今年の最高値に手の届く距離にステイしているので、どちらかというとキプロス問題は気にしていないのだとも言うことができる。
夕方になるとドル円はやや上昇。95円台で粘っていたアジア時間だったが、再び95円台を目指す動きとなってきた。しかしドイツの景況指数は悪いものが出てきて、ユーロ売りを誘って、ドル円も上値追いをやめてしまった。18時から始まると言われていた黒田総裁の会見も、なかなか内容が出てこなかったので、ドル円やユーロ円のロングで構えていた連中もシビレを切らしたのかもしれない。
ドル円は早々に95.20あたりまで突っ込んで、黒田期待での短期スペック目的のドル円ロングはほとんど切らされたとのだろう。結局のところ、従来に言われていた以上のことを黒田総裁は発言しなかった。これでドル円の95円台の中盤までがマックスの戻りなのだから、その上はかなり重そうだ。私もドル円の戻り売りスタンスでニューヨーク勢を待つことにした。
ユーロドルが急落でも始めたならば、キプロス問題で変なことが起こっているのかもしれないと判断することにして、その時点でドル円を売っていこう。もしくは株価の下落でもよい。グロベーックスでの米国株は前日の切り返しで、今年の最高値ゾーンに張りついてはいるが、これが崩れだす瞬間もリスク回避の方向でポジションを作るタイミングを与えるだろう。
しかしアメリカの経済指標は失業保険も景況感も良いものが並んだ。それゆえドル円の下げも限定的。米国株も落ちない。ユーロドルも1.28台に入ったりするものの、下げに勢いがない。値動きだけからはなかなか手を出しにくいが、いろいろとキプロス支援について対応が混乱しているようだ。
FT新聞にはキプロスが支援を受け入れるかどうかは25日までだとECBが日限を切ったとか、ロシアは支援に絡まないだとか、いろいろ出てきた。それでユーロドルも1.29台に戻っているし、売っておこうと決めた。20ポイントアゲインストでストップ注文を置いて寝るのだが、1.2929で売れた。
あとで見るとドル円の方が94.56まで落ちている。ユーロドルは損切りこそダンにならなかったものの、ほとんどダイナミックな動きを示していなかった。ずっと1.2900をはさんでの一進一退だ。アジア時間は主に1.29台だ。アゲインストではないものの、持ち心地はよくない。ドル円はアジア時間には再び目先の重さを増している。こうなったらドル円も売って、実質的なユーロ円のショートにしてしまうことにした。
今晩はドイツのIFO景況感しかイベントがない。もちろんマーケットの関心はキプロス支援のあり方に一方的に傾くだろう。昨日下げた米国株が持ち直すかどうかが、今夜の相場の方向感を決定することになるだろう。私もリスク的な観点から米国株の動向でポジションを張って行こうと思っている。
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