昨日の欧州市場は、ドル円は97円台の後半で始まった。早朝のセッションで95円台まで突っ込んでいたところから2円以上の急反発だ。これを裏付けるかのように外部環境も、それを物語っている。いちばん心配されたゴールドの価格も、早朝に1321ドルまで沈んだ以降は、急激なショートカバーに見舞われ、押し目があれば買いたいと思っていた向きにインタレストを引きだした格好となった。
このように底打ちが見えれば、拾いたくなるのは金だけに限らない。日本株も早朝の安値から大きく切り返している。しかしここまでの戻りが急ピッチであったのも事実であり、簡単に崩れやすい局面もあるのではないかと思われた。
欧州序盤ではリスクテーク一辺倒だったが、私としては逆張りで参入してみた。97.81でドル円を売って、まだついていない98.00で買い戻しのストップ注文をプレースする。ドル円は思惑通りに97円台の中盤まで下がってきたのだが、18時発表のドイツの景況感が悪かったのでもっとリスク回避になるのではないかと思って待っていた。
ところがユーロドルは売られているのに、ドル円はむしろ反発。私としてはわけもわからず、ほとんど同値で買い戻しをさせられることになった。別に損が出たわけではないのだが。なんとも負けに等しいものがある…。
その後はドル円は98円台にちらりと乗せた。そして売られていたはずのユーロの買い戻しが激しく入り、ユーロドルは1.31台まで上昇してきた。ユーロ円も強く、128台まで戻している。なかなか前向きな気分にならなかったが、次のGSの決算の前後でまた勝負をかけよう!
しかし予定よりも遅れて出てきたゴールドマン・サックスの決算発表では反応はなし。私はあまり重視していなかったが、21時半の経済指標、とくに住宅着工件数が大きな伸びを示したことに、マーケットは大きく反応した。まあ確かに久しぶりに100万件という大台越えをしていたし、このところアメリカの経済指標は悪いものが多かったのでサプライズにはなったのだろう。
当然リスクテークになったのは言うまでもない。ドル円は再び98円台へ。そしてこの後は98円ちょうどをはさんでの攻防となった。つまるところドル円は完全に値を戻したのである。こうなると、ちょっと売り込みづらくなった。
懸念の金価格も順当に戻っている。まだ1300ドル台なので安いには違いないが、前日までのペースで落ちていたら、今頃は1200ドル台に突入である。それが回避されているだけでも、マーケットが落ち着いてきたといえる。ユーロドルもZEWの後に反発を始めてから、ディップを作らずに1.31台の中盤だ。
ニューヨーク時間には参加せずに寝てしまったが、夜中に米財務省が先日の日本への金融政策に関する警告を繰り返したことで、ドル円が97円台の前半まで押されるという局面があったが、大きく値崩れはしなかった。早朝になってから、そこは買いたい人達にとっての格好の買い場となってしまったようで、本日のアジア時間のドル円は上昇する一方だった。ついに98円台を回復してきたと思ったら、昨日の高値であった98.15をも越えてきた。
アジア時間の午後はドル円がしっかり。明日からG20で為替問題も議題に上がろうとしているのに、99円台を目指す動きを止めていない。10ポイントほどの押し目を作るのがせいぜいで、欧州時間に向けて98円ちょうどのあたりまで落ちてもすぐにビットが出てきた。それだけ市場の買いイントが強いものと思われる。
今晩は切り返した米国株の動向が注目される。そのまま再び今年の最高値圏をとらえに行くのか。それともやはり高値警戒感も手伝って反落に向かうのか。これによってリスクの動向を探るのだ。ドル円の99円台やユーロ円の130円台は、それにかかっているともいえる。バンカメの決算発表も出るが、昨日のGSでもあまり動かなかったのだから、あまり相場に影響を与えるとは思われない。
日本時間 17時20分
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