■イタリアがデリバティブ取引で莫大な損失の可能性!
先週(6月17日~)、ユーロ/豪ドルの調整に連れ、ユーロ/米ドルは1.3418ドルに到達して以降、じり安に推移。
その間に、豪ドル急落の陰で大きな話題になっていなかったユーロの問題点が、マーケットで再び取り上げられるようになりました。
まず、フィナンシャル・タイムズ紙が「イタリアがユーロに加盟する際にデリバティブ取引で国家の財政赤字を隠匿した疑いがあり、それに絡む損失が莫大な額になる可能性」があると報道。
その記事の中には、「もしこの粉飾決済が事実であれば、ドラギECB総裁は当時の伊財務省総務局長を務めており、なんらかの情報を握っているのではないか?」とも書かれており、この報道がユーロ/米ドルの下落を誘因しました。
これに対して、伊財務省は即座に否定するコメントを出していますが、市場の疑惑を一掃することはできなかったようです。
加えて、6月26日(水)は、そのドラギECB総裁が緩和姿勢継続とコメントしたため、ユーロ/米ドルの上値がさらに重くなっています。
■ユーロ/米ドルの下値余地が拡大!
こうした報道の中、ユーロ/米ドルに対するヘッジファンドの目線は下へ向いています。
まず短期の1 monthで1.28~1.300ドルといったオプションを物色。
6月26日(水)のユーロ/米ドルは、1.3050ドルのバリアをなんなくブレイクし、一時1.2985ドルまで下落しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 30分足)
本稿執筆時点でのユーロ/米ドルの下落メドは、大きなものではありませんが、前述のイタリアの問題などが混迷を深めるようであれば、ユーロ/米ドルの下値余地はさらに拡大する可能性が濃厚。
7月に向け、下落余地が拡大してきたユーロ/米ドルに注目です。
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