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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は138円に向けて戻り売り継続! 注目は関税か
ら米財政問題に。米ドル/円の上昇要因だった米金利上昇
が、解放の日以降、米ドル安要因となり上値は限定的に

2025年05月22日(木)15:17公開 (2025年05月22日(木)15:17更新)
西原宏一

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韓国ウォンを筆頭に、対米貿易黒字国通貨に対する米ドル安は加速

 みなさん、こんにちは。

 5月21日(水)の為替相場では、先週(5月12日~)に続き、再び韓国ウォンが対米ドルで急騰。

 韓国経済新聞が「政府当局者の話を基に、韓国と米国が為替の方向性を協議した」と報じたことがきっかけでした。

 しかし、Bloombergによれば「米国は為替の具体的な水準に言及してはいない」し、韓国の企画財政省は「為替協議は継続中でまだ何も決定されていない」と発表しています。

 これは、これまでの対米ドルでの台湾ドル急騰時と同じです。

 まず、マーケットで「韓国や台湾と米国が為替の方向性を協議した」というリークが流れ、韓国ウォンや台湾ドルが急騰するも、その後、当局がそれを否定するという流れで、今回の当局の対応も予測されていました。

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 先月(4月)から米ドルの下落が加速している中、当局が「米国は米ドル安を望んでいる」とコメントするとは考え難いからです。

 しかし、対米貿易黒字国である台湾ドルや韓国ウォンは、着実に上昇しています。

 それでは、台湾や韓国と同様に対米貿易黒字国である日本円はどうでしょうか。

 5月22日(水)早朝のシドニー市場で、米ドル/円は一時1円ほど急騰しています。

 そのきっかけは「ベッセント財務長官と加藤勝信財務相は、為替レートは市場で決定されるべきであり、ドル・円相場はそれを反映しているとの認識を再確認」との報道でした。

 4月から米ドル安が加速している状況で、当局が「米ドル安を望む」とコメントするとは思いませんので、これは当然の発言。

 そのため、一時的に米ドル/円は144.40円まで反発するも、本稿を執筆している5月22日(水)12時時点では、何事もなかったかのように143.20円まで反落しています。

米ドル/円 30分足
米ドル/円 30分足チャート

(出所:TradingView

 一方、マーケットでは関税以上に注目されている問題が警戒され、神経質になっています。

 その問題とは、米財政問題です。

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米ドル/円は138円に向けて戻り売り継続。米ドル/円の上昇要因となっていた米金利上昇が、米ドル安要因となっている

 このところ、米金利と米ドル/円の相関性が崩れてきています。

 ここで、米ドル/円と米10年債利回りの日足チャートを見てみましょう。

米ドル/円&米10年債利回り 日足
米ドル/円&米10年債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

 基本的に、米10年債利回りが上昇している局面では、総じて米ドル/円も上昇しています。

 ところが、4月2日(水)の「解放の日(※)」以降、米金利が急騰すると、米ドル/円が反落する傾向が高くなっています。

(※編集部注:「解放の日」とは、トランプ大統領が各国・地域に課す相互関税を公表した4月2日(水)のこと。トランプ大統領はこの日を「解放の日」と表現した)

 これが、米国のトリプル安(米国債下落(利回りは上昇)、株下落、米ドル下落)を引き起こす要因に。

 そして、今回のムーディーズの米国格付け引き下げは、悪化する米国財政と債務動向を通じて、構造的な米ドル安の流れになる懸念を拡大させています。

 つまり、米金利の上昇は、米ドルを反落させる要因にもなるということ。

 加えて、5月20日(火)の東京市場では、20年物国債の入札が不調な結果となり、日本の金利上昇(債券売り)が一段と勢いづいています。これも円高要因です。

 その結果、今週のマーケットは関税に関するニュースよりも、財政問題に関する報道に神経質になっています。

 特に、トランプ大統領の税制改革法案の進展が市場で消化される中で、財政リスクを再認識させる要因となっており、これが米ドル安を誘引しています。

米ドル/円の上昇要因の筆頭にあげられていた米金利の上昇が、米ドル/円にとってネガティブな要因となっている状況では、米ドル/円の上値も限定的となりそうです。

 米ドル/円は138円に向けて戻り売りを継続します。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView


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