ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

西原スーパーバナー
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

イタリアの財政赤字隠匿疑惑が浮上!?
次なる注目はユーロ/米ドルの下落!

2013年06月27日(木)16:49公開 (2013年06月27日(木)16:49更新)
西原宏一

【GMOクリック証券】圧倒的人気で100万口座達成!最短即日で取引可能!

■2013年上半期のテーマは米ドル高だった

 みなさん、こんにちは。

 早いもので、2013年ももう半期を折り返すところまできました。

 商品市場などでは一部、苦戦している部分もあるようですが、多くのヘッジファンドの収益は上々。

 振り返ってみれば、2013年の彼らの為替マーケットでのテーマは、米ドル/円の上昇、そして5月初旬からの豪ドル/米ドルの下落でしたので、総じて為替取引に関してはうまく運用しているところが多いようです。

 ここでの注目ポイントは、通貨ペアは変われど、どちらも米ドル高というところ。

■豪ドルクロスの急落が一服し、次はユーロ/米ドルか

 そして、7月に向けて、彼らの注目を集めつつあるのがユーロ/米ドルです。

 過去のコラムで集中してご紹介してきた豪ドル/米ドルの急落ですが、豪ドルの下落が急激でしたので、対円や、対ユーロでのクロス取引でも豪ドルは急落しています。

【参考記事】
RBA議事録をきっかけに豪ドル安が再燃。米ドル/円は大幅反発の可能性あり!(2013年6月20日、西原宏一)
ブラジルレアルなど新興国通貨が大荒れ! 米ドル/円は9営業日で約6円の急落!(2013年6月13日、西原宏一)
豪ドルは1000pips下落してもまだ高い! 対ドルで0.9ドル、対円で90円まで下落か(2013年6月6日、西原宏一)
ドル/円の月足陽線連続記録更新なるか? しかし、100円を割れると調整が深い可能性(2013年5月30日、西原宏一)
日経平均大暴落! 豪ドルに悪材料続出! 急落中の豪ドル/円、下値メドは95円か(2013年5月23日、西原宏一)
豪ドル暴落! 豪ドル/ドルがパリティ割れ。為替専門のヘッジファンドもショート狙い!(2013年5月16日、西原宏一)
豪州利下げで金利は史上最低の2.75%に。ジョージ・ソロスが豪ドル売りという報道も(2013年5月9日、西原宏一)

 豪ドル/円は、一時88.91円まで下落、ユーロ/豪ドルは、1.4416ドルまで急上昇するなど、豪ドル安が進みました。

豪ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足

ユーロ/豪ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 日足

 この豪ドル/円の急落が、米ドル/円の下落を深くし、ユーロ/豪ドルの急騰が、何ら好材料がないにも関わらず、ユーロ/米ドルを1.3418ドルまで押上げていました。

ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

 そして、5月初旬から続いていた豪ドル/米ドルの下落がやっと一服。

 豪ドルクロス(豪ドルと米ドル以外の通貨との通貨ペア)の急落が一服し、急騰していたユーロ/豪ドルが調整に入ると、マーケットの注目はユーロ/米ドルにシフトしてきました。

■イタリアがデリバティブ取引で莫大な損失の可能性!

 先週(6月17日~)、ユーロ/豪ドルの調整に連れ、ユーロ/米ドルは1.3418ドルに到達して以降、じり安に推移。

 その間に、豪ドル急落の陰で大きな話題になっていなかったユーロの問題点が、マーケットで再び取り上げられるようになりました。

 まず、フィナンシャル・タイムズ紙が「イタリアがユーロに加盟する際にデリバティブ取引で国家の財政赤字を隠匿した疑いがあり、それに絡む損失が莫大な額になる可能性」があると報道。

 その記事の中には、「もしこの粉飾決済が事実であれば、ドラギECB総裁は当時の伊財務省総務局長を務めており、なんらかの情報を握っているのではないか?」とも書かれており、この報道がユーロ/米ドルの下落を誘因しました。

 これに対して、伊財務省は即座に否定するコメントを出していますが、市場の疑惑を一掃することはできなかったようです。

 加えて、6月26日(水)は、そのドラギECB総裁が緩和姿勢継続とコメントしたため、ユーロ/米ドルの上値がさらに重くなっています。

■ユーロ/米ドルの下値余地が拡大!

 こうした報道の中、ユーロ/米ドルに対するヘッジファンドの目線は下へ向いています。

 まず短期の1 monthで1.28~1.300ドルといったオプションを物色。

 6月26日(水)のユーロ/米ドルは、1.3050ドルのバリアをなんなくブレイクし、一時1.2985ドルまで下落しました。

ユーロ/米ドル 30分足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 30分足

 本稿執筆時点でのユーロ/米ドルの下落メドは、大きなものではありませんが、前述のイタリアの問題などが混迷を深めるようであれば、ユーロ/米ドルの下値余地はさらに拡大する可能性が濃厚。

 7月に向け、下落余地が拡大してきたユーロ/米ドルに注目です。


【ザイFX!編集部からのお知らせ】

 ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)です。

西原宏一投資戦略メルマガ「トレード戦略指令!」

「トレード戦略指令!」10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。

人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
人気FX会社ランキング MT4比較 トレーディングビュー記事
人気FX会社ランキング MT4比較 トレーディングビュー記事
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る
トレーディングビュー関連記事