■ドルインデックスは200日線にサポートされるか
こういった過剰な反応は、昨日(7月25日)のユーロ/米ドルの高値から読み取れる。
前回(6月中旬)FRBがQE規模削減を暗示した際、ユーロ/米ドルは1.3400ドルの大台を打診していたが、昨日は1.3300ドルの節目に接近し、材料の蒸し返しとしてはいいレベルに来ていると言える。
テクニカルの視点では、7月9日(火)安値を起点とした切り返しの継続と見なすが、相場の内部要因の視点では、前回のコラムでも指摘したように、QEに過大な期待を寄せたロング筋の振り落としが一段と拡大されていたわけだ。
面白いことに、QEに対する過大な期待は、ドルインデックスの下落をもってロング筋が振り落とされると、次第に行きすぎが生じ、今度は逆のポジション、つまり「FRBハト派スタンスの継続」に賭ける動きに偏る可能性がある。
昨日(7月25日)のWSJ記事に対する過剰な反応は、目先の米ドル売りモメンタムの強さを示すと同時に、すでに行きすぎが生じているサインとして重視したい。
そして、こういった視点から、テクニカル指標の現状をもう1回点検したい。
まずドルインデックスの日足では、200日線が注目される。
2012年11月高値、2013年6月安値はともに、同線のレジスタンスとサポートの役割を確認しただけに、今回もサポートラインとして機能してくる公算が大きい。
RSIの分析はやや難しいから、今回は詳説しないが、簡単に言うと、5月安値に対応したレベルにRSIが接近してきたから、同じくサポートされる公算が高いとみられる。
■早ければ今日にもユーロプチバブル崩壊か
実際、目先、ユーロ/米ドルが1.3300ドルの節目に接近し、強そうに見えるが、6月高値を超えない限り、内部構造は不変。このような内部構造について、7月11日(木)に制作したチャートと、同じく11日に書いた文章をもって説明したい。
バーナンキFRB議長の発言によって米早期出口政策に関する期待を後退させ、ユーロ/ドルも大きくリバウンドしたが、近々再度頭打ちを果たし、ベアトレンドへ復帰しよう。このような結論、ウェーブカウントとフォーメーションの両方からヒントを得られると思う。
上のチャートで記しているように、まず、ウェーブカウントでは、2月高値
から大型下落波を始動させ、6月高値1.3416から子波3をスタートさせたと思われる。同推進波自体の5波構造に鑑み、昨日の切り返しが大きかったものの、調整波(II)との位置付けからおのずと限界あり、再度頭打ちを付ける公算。もっとも分かりやすい話、一昨日安値からの切り返し、強く6月高値を超えない限り、ベアトレンドを修正できず、早晩安値更新し、1.2200以下にターゲットに照準する計算となる。
フォーメーションでは、来るべき調整II波のトップアウトがあれば、上のチャートで示しているように、6月高値をヘッドとする小さいヘッド&ショルダーズを形成される蓋然性は高く、同フォーメーション自体、「右肩」として序列上に位置する大型ヘッド&ショルダーズを形成していく見通しだ。重ねたヘッド&ショルダーズは共にベアトレンドの進行を示し、再度安値更新があれば、大きな下値余地を拓くことに繋がる。
目先切り返しのレベルを上方修正する必要があるものの、基本的なロジックは間違っていないと思う。早ければ本日7月26日(金)に、遅ければ来週(7月29日~)あたりに、ユーロのプチバブルは弾けると思う。市況はいかに。
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