今週に入って目立っているのは、アジア株の上昇である。日本はオリンピックが決まったというのもあって、日本株が高いというのは仕方がない。他のアジアの新興国はおしなべて株価の上昇が激しい。
これまで自国通貨が安いといって為替介入すらも行っていたインドなどはものすごい勢いで上がっている。中国株も激しい戻しを演じており、この動きはアジア全域に及んでいる。これはもちろんリスク許容度の大幅な増大を意味し、それが為替相場でも円の独歩安に資する形となっている。
とりあえずレベルにかかわらず、ドル円やユーロ円は売り込みづらい状況。株価の反転を待ってからでないといけない。かといって中東情勢を思うと、なかなかロング攻めも苦しい。そうこうするうちに欧州序盤でドル円は100円台に乗せてきた。
そしてシリアがロシア提案を受けいれるとも発言したようだ。軍事介入のリスクは遠ざかり、ドルが瞬間的に全面高になった。ドル円は100.35近辺まで上昇し、その後の押しはほとんどない。
ニューヨーク時間ではほとんど値動きがなかった。ドル円は20ポイントほど、ユーロドルも30ポイントほどの狭いレンジ。それでもドル円、ユーロ円は高値ゾーンをキープ。いつでも高いところをやりますよ、といった感じでニューヨーククローズを迎えた。中東情勢の悪化で下げていた米国株も、昨日は堅調。すでに歴史的な高値を一更新してもおかしくないレベルまで戻してきている。
さて今日は10時過ぎにオバマ大統領のスピーチがあった。内容は予想されたものだった。それでも軍事攻撃がだいぶ柔らかいものになりそうで、シリアへの攻撃は限定的になること、国連での決議に努力することが話された。これをうけてマーケットは安心感を覚え、原油価格は下落。ドル円も上昇して昨夜の高値である100.45を越えてきた。
それまでに100円割れの方向をトライしていたので、スピーチの内容が予想以上にマイルドなものに収まったという解釈なのであろう。しかし株価も瞬間的に吹きあがったが、長くは続かず。私はまたドル円の売りモードで構える。ドル円は100.53まで上がったのだが、すぐに100.35近辺まで押し込まれて平静を保った。
その後、もう一度だけ高値攻めをして100.60あたりまで上昇。日経先物は昨夜の高値である14605円を越えてきていないので、これを越えない限りはドル円のロングでトレンドフォローはしたくはない。むしろ昼間の高値をバックにして、売ってみたいくらいだ。
今晩も経済指標はほとんどない。だから市場の関心は中東情勢に一極集中することが予想される。ただ世の中の流れとしては外交を駆使した話し合い路線のほうで進むことが濃厚になってきている。このため株価もドル円も、それほども下がりにくいものとなりそうだ。
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