■マーケットの注目はQE縮小開始時期へ移行!
話は少し遡りますが…10月9日(水)、オバマ米大統領は、2014年1月に任期切れとなるバーナンキ氏の後任のFRB議長に、ハト派で有名なイエレン氏を指名。就任すれば、FRB初の女性議長誕生となります。
【参考記事】
●米FRB初女性議長は雇用重視のハト派!大きく株高・円安が進まない理由とは?(10月10日、今井雅人)
●豪ドルが欧州通貨に対し急反発。債務上限問題が収まれば対円、対米ドルでも反発か(10月3日、西原宏一)
●米国債がデフォルトすることはあり得ない!新興国投資からなぜ、撤退すべきなのか?(10月16日、松田 哲)
イエレン氏の指名そのものは織り込み済みだったため、マーケットに大きな反応はありませんでしたが、ハト派のイエレン氏が次期FRB議長に正式に指名されたことで、一時的ではあるものの、金融緩和が長引くのでは? との期待からマーケットは少し株高へ傾きましたね。
それが、米財政問題のゴタゴタ劇を経た今、金融緩和が長期化するとの見方がさらに強くなってきているようなのです。
16日間におよぶ政府機関の閉鎖が、米景気回復の勢いを削いだとの声も聞かれるなか、緩和継続期待を背景に米ドル売りが進み、10月18日(金)に、ユーロ/米ドルは1.37ドルを超える展開に。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
米ドルは、他の主要通貨に対しても下落し、全面安の様相となりました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
「米国の金融緩和が長期化するのでは」との見方が強まったわけなので、株価の方は比較的、堅調に推移しています。特にNYダウよりもナスダックが順調に上昇してますね。

(出所:米国FXCM)

(出所:米国FXCM)
■米雇用統計でQE縮小開始への期待感が変わりそう
とはいうものの、今のところマーケットに大きな方向感は感じられず、冒頭でお伝えしたとおり、やや膠着状態。やはりポイントとなるのは、米雇用統計の結果と、その先にあるQE縮小開始時期についてでしょうか。
2013年12月にもQE縮小が開始されるのでは? との見方もあるものの、年内の縮小開始は難しいのでは? との声もここへ来て、多く聞かるようになりました。
米雇用統計の結果が弱いものになれば、12月の縮小開始も見送られるとの見方がさらに優勢になるのかもしれません。逆に良い結果になれば、12月に縮小が開始されるのでは? との期待感が息を吹き返す可能性もありそう…。
11月8日(金)に予定されている10月の米雇用統計は、政府機関閉鎖の影響を反映したものですので、一部では、本日10月22日(火)に発表される9月の米雇用統計以上に注目されているようですが…。どちらも見逃せないイベントであることに違いはありませんね。イレギュラーな状況だけに、いつも以上に注意しておいて損はなさそうです。
■10月の米FOMCにも注目!
そして、雇用統計が終われば、次の注目イベントは、10月29日(火)~30日(水)に予定されている米FOMC(米連邦公開市場委員会)! 万が一ここで縮小開始が発表されたら、それこそサプライズ!
なのですが、11月8日(金)に10月の米雇用統計発表を控えるなかでのFOMCでもありますので、さすがにサプライズな内容は出てこないのではないか? ともみられているようです。いったいFRB(米連邦準備制度理事会)は、QE縮小に関してどんなスタンスを示すのか、いずれにしてもその内容には注目したいですね。
ということで、今夜は火曜日ですが、午後9時30分には9月米雇用統計の発表が予定されています。サイバーエージェントFXなどでは、緊急のウェブセミナーが開催されるなど特別イベントを企画するFX会社もチラホラ…。チェックしてみてもおもしろいかもしれませんよ!
繰り返しになりますが、今後のマーケット動向を握る重要なポイントであるとともに、イレギュラーな状況のなかでの発表ですので、いつも以上にマーケットの動きには注意しましょう!
(ザイFX!編集部・向井友代)
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