■消費税3%引き上げ決定! 市場は反応薄
10月1日(火)、安倍総理は2014年4月に消費税を3%引き上げることを決定しました。日銀短観も約6年ぶりの高水準にまで改善してきており、また、9月に発表された4-6月期のGDP改定値も前期比年率で3.8%増(速報値の2.6%から上方修正)という好結果となっていたので、引き上げない選択肢は見当たりませんでした。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
引き上げは既定路線であったため、市場も大きな反応はしていません。
【参考記事】
●10月1日、グダグダ相場にカンフル剤!?「BUY MY ABENOMICS」相場を演出か(9月26日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■日銀は、消費税引き上げ時に新たな金融緩和検討か
同時に5兆円の経済対策を実施することも発表していますが、補正予算ということなので、2013年12月中までに中身を決めて、2014年1月の通常国会冒頭での決定、というプロセスになることが予想されるため、当面、影響はなさそうです。
また、日銀は2014年4月の消費税引き上げに際して、新たな金融緩和を検討する可能性は十分あるものの、それまでは現状の金融緩和政策を粛々と実施していくことになります。
ちなみに、現状の金融緩和は2013年4月4日(木)に決定された「量的・質的金融緩和」の方針に基づいて行われていますが、大きな柱は2つで、「マネタリーベースが年間約60-70兆円に相当するペースで増加するよう金融調節を行う」ことと、「長期国債の保有残高が年間約50兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う」ことです。
【参考記事】
●日銀が本気でアグレッシブな方策を発表!株高・円安のこの相場は当面崩れない!!(4月4日、今井雅人)
●ドル/円は中長期的に120円台を目指す!日米の金融緩和の差から上昇は自明の理(4月11日、今井雅人)
ちなみに9月20日(金)現在で、2012年末に比べて、両方とも、ほぼ7割増加しています。実質的には4月からのスタートということなので、半年で年間分の7割を増やしていることになります。
確実に、目標に向かって実施していることがわかります。今後もこのペースを維持していくであろうと考えています。こうやってみていくと、日本サイドの状況は安定していて、大きな相場変動を起こすような材料は見当たりません。
■自由の女神が閉鎖され、観光客も怒り心頭!?
一方、太平洋の向こうでは若干の混乱が生じています。
米国では2014年度の暫定予算が9月30日(月)の期限までに成立せず、一部の政府機能が麻痺するという事態に陥っています。報道でもうご存知だと思いますが、80万人の仕事がストップしています。
ニューヨークでは、自由の女神が閉鎖され、観光客の怒りを買っているとの報道も見受けられます。
さらに、10月17日(木)には、現在、法律で定められている連邦債務の上限に達する見込みであり、また、「夜中まで民主党と共和党のつばぜり合いが繰り広げられる」といった最近よく見かける光景を目の当たりにしそうです。
最終的には、何らかの妥協、合意がなされるとは思いますが、こうした事態が継続すればするほど、大手格付け会社が米国の格付け引き下げを検討する可能性は高まります。若干の注意はしておきたいと思います。
■米ドル/円の97円台は買い方針だが…
しかしながら、今のところ市場は楽観視して、冷静な反応を見せています。
基本的には、大きな混乱は起きないと思いますが、米ドル/円も、かなりロングポジションが溜まっていることもあり、何かのきっかけで一時的に崩れることはあるかもしれない、という程度の認識は持っておきたいです。
これまでどおり、基本的には米ドル/円の97円台は買い方針を継続したいですが、そこを下抜けると一時的に94円台から95円台あたりまで下落することも想定しながら、投資方針を考えておきたいと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
なお、株式市場も多少の押し目があるかもしれませんが、押し目は、しっかり買っておきたいと思っています。
(出所:株マップ.com)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)